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○ 飴と鞭はどうやって使い分けたらいいですか?

あっきーです。


今日も卓球の指導法をお届けしていきます。


今回の悩みは、

「飴と鞭をどのようにして使えばよいでしょうか?」

という悩みです。


けっこう飴と鞭の使い分け方について悩んでいる人は多いみたいですね。

練習でダラダラやっていたら話を聞いたほうがいいのか
叱って煽ったほうがよいのか...
もしくはエサで釣るのがよいのか。

試合で勝ったら褒めたほうがいいのか褒めないほうがいいのか。

たくさん悩むと思います。

よく人を教育するときにも飴と鞭を使い分けろ、
なんて言われることが多いと思うんですが、まずこの考え方を疑ってください。


飴と鞭という考え方を捨ててください。


たぶん長年教育に関わっている人がこの言葉を聞いたら、
驚くと思います。

20世紀から飴と鞭を使い分けて教育しろって徹底的に教えられてきましたからね。

でも現代の人間にはこの飴と鞭はさほど効果はないのです。

効果がないといったらおかしいか。

実際に効果出ているところはありますからね。

それよりもさらに効果が出る方法があるといったほうがいいですね。


そんな方法聞いたことありますか?

あまり聞いたことはないですよね。

僕もコーチングというものに出会うまでは一切
聞いたことはありませんでした。

学生時代に野球をやっていたときにも飴と鞭を使われてきたし、
社会人になって就職したときにも飴と鞭を存分に使っていましたからね。

自分が後輩に指導するときにも飴と鞭を使っていました。

でも海外のセミナーや日本のトップレベルのコーチング理論を学習して
コーチングのスキルを磨いたときに、科学的に証明された教育方法を教えられたんです。


その方法とは、「飴しかあげない」ということです。

飴と鞭を与えるのではなく、飴しかあげないんです。

褒めてほめて褒めまくるんです。

これが教育するときの基本原則です。


いや、そんなんじゃ生徒は甘えてしまうよって思いますか?

練習もせずにダラダラとしてしまうよって思うかもしれませんね。

でも実は違うんです。

これが現代の子たちの能力を最大限に伸ばすのに最適な方法なんです。

実際にこれは科学的にも証明されて、データとしても出ています。

ひとつの例ですが、海外での褒めることと叱ることを使った実験がありますので
それを紹介しますね。


これは企業マネジメントのミーティングのときに行われた実験です。

300人の人間が入れるような大きな会議室に250人の
企業マネージャーが集まっていました。

2人の実験者を募って、ミーティングが始まります。

ミーティングが始まると一人目の実験者が会議室に入ってきました。

ブライアンという青年です。

実験とは正解探しのような実験なんですが、ブライアンが部屋の前方の
フリップチャートをめくれれば、実験は終了。

でも何をすればいいかはブライアンには知らされていないので、
ブライアンには自由に行動をしてもらいます。

そしてその行動が間違っていたらブザーをならすといった実験でした。

部屋に入ってきたブライアンが右に曲がろうとすると
早速ブザーがなります。


ブー。


彼は足を止め、おろおろと周りを見渡してフリップチャートのほうに
向かっていきました。

正しい行動を取っているのでブザーはなりません。

フリップチャートを通り過ぎ、プロジェクターのほうに行こうとしたとき
またまたブザーがなりました。

彼が立ち止まったのはフリップチャートの目の前でした。

彼はそっと赤いマジックを手に取ります。


ブー。


急いで赤のマジックを置き、今度は黒のマジックを持ち上げます。


ブー。


青でも緑でもダメとなったときに、ブライアンはせっぱ詰まって焦った表情で
マネージャーたちのほうをみました。


ブー。


彼の体はすっかり止まってしまいました。

フリップチャートを背にしたまま動けなくなってしまったんです。

沈黙のなか、激熱のサウナにいるような2、3分に耐えたあと、
ブライアンはついにギブアップをしました。

この実験の発案者が所要時間を確認します。

その時間は5分でした。

ブライアンには落ち着いて席に座ってもらって、
次の実験が始まりました。

次の被験者はジェーン。

先ほどの実験の内容は殆どいっしょですが、今回は正しいことを
したときにベルを鳴らすようにしました。

彼女にしてもらう行動はテーブルの上においた水差しから
コップに水を注ぐというもの。

もちろん彼女には何をすればいいのかは知らせていません。

自由に行動してもらいます。

彼女が部屋に入りテーブルの方向へ足を進めます。

今回は正しいことをしたときにベルがなるので、
テーブルに向かうたびに肯定のベルが鳴ります。

そのベルの音に後押しされるように、彼女は自信を持って
部屋の前方へ向かっていきました。

左へ曲がろうとするとベルが止みます。

すると彼女はすぐさま右へ方向転換します。

彼女は水差しを見つけ、それに向かって進んでいきます。

ベルの激励を受けながら、彼女は水差しを持ち上げ、コップに水を注ぎました。

マネージャーたちが信じられないといった表情でいっせいに歓声を上げるなか、
ジェーンは皆の方を向き、拍手に答えました。

そして注いだ水を自ら飲んで、皆を笑わせました。


前回と同じように発案者が時計を確認します。

部屋に入ってから水を注ぐまで、なんと58秒。


違う場所で何回もこの実験は行われていますが、毎回ほぼ同じ
結果が出ているそうです。

この実験が何を意味しているかわかりますね。

ブライアンは否定的でネガティブなブザーの刺激を受けることによって、
創造性だったり反応の鋭さだったりを低下させています。

ブザーがなればなるほど心理的に追い込まれていきます。

途中で実験を断念したとき、ブライアンは完全に自信を失い、
身動きできない状態になっていました。


一方ジェーンは、ベルから肯定的でポジティブな刺激を受けることによって、
自信も創造性も反応も増えて、みごとに実験を終了させました。

彼女は自信にあふれ、笑顔で誇らしい態度でした。


わかりましたか。

飴と鞭ではなく、飴だけ上げるといういう意味が。

昔は鞭を打つことが愛国心や忠誠心を煽って効果的だったのかもしれませんが、
平和になった現代では叱るのは逆に能力に制限をかけてしまうんです。

いや飴をあげずにたくさん叱って根性をつけさせたほうが良いって思いますか?

もしそう思うのであれば、なぜ根性が必要なのか考えてみてください。


根性が必要になるときというのは、能力が同じで勝つか負けるかわからない相手に
精神で負けないために必要になる精神性の能力なんです。

だから圧倒的に能力が違えば、根性なんてものはいらないんです。

最後の最後に必要となってくるものです。

でも日本人は先に根性を出してきますよね。

根性がなければ、勝つことはできないんだ、みたいに。

だから勝てないんですよ。

だから二流なんですよ。

そもそも能力が足りていないのに根性をつけたって意味がないんです。

それよりも先にやることがあるんです。


だから飴と鞭という考え方は捨てて、飴だけを上げるようにしてください。

悩んだときにはたくさん話を聞いてあげてください。

いうこと聞かなくなったら何でそうなったのか生徒と同じ目線に
なって聞いてあげてください。

そしてうまくいったら存分に褒めてください。

試合に勝ったら、技術が向上したら、練習を真面目に
やっていたら褒めてください。

どんな些細なことでもいいです。

褒めてあげて聞いてあげることをしていれば、能力は必ず向上していきます。


この「飴だけをあげる」という基本原則を忘れずに指導に当たってください。



では。