「1~2年もすればワクチンができて、新型コロナウィルスの流行も治まる」という期待は残念ながらはずれてしまい、新型コロナウィルス感染対策は長期戦になる(パンデミックの長期化)ことを覚悟しなければなりません。欧米では、コロナウィルス感染者数が急速に増加していて、日本でも冬場にかけて感染者数が増加することが予想されています。もっとも、冬場(低温と乾燥)はウイルスが生存しやすい環境であること、生活が三密になりやすいこと、体温が下がって(外気の低温や運動不足などによる)免疫力が低下すること、などから感染者数が増加するのは以前から予想されていたことです。夏場以上に感染対策に注意を払う必要はあります。しかし、死亡者数の減少や重症化率の低下は顕著に進んでいて、パンデミックが着実に終息に向かっていることは確かです。

 

 さて、うちの患者さん達の状況はどうかというと、実際に新型コロナウイルスに感染した方はいませんが、「微熱が何度も出て心配になったので・・・」「職場で感染者が出て、私も濃厚接触者になったので・・・」などの理由でPCR検査を受けた方は何人かいます(いずれも陰性)。また、6月くらいまでは、患者さんの希望で薬を送付したり、診察なしでクスリだけ取りに来る、といった患者さんがいましたが、現在はコロナ前の通常の診察に戻っています。

 しかしながら、“コロナ自粛後遺症”?なるものが見られます。体調不良や“プチうつ”を訴える患者さんたちです。“プチうつ”とは、本物のうつ病や不安障害ではないし、元々の症状がコロナのせいで悪化したということではありません。一般の人々にも通常に見られる、一過性の不安や気分の落ち込みのことです。ちなみに、本物の不安障害の患者さんでも「この薬飲んでるから、コロナでも不安にならないんですかね」という方もいて、薬の予防効果からか、多くの患者さんの症状は悪化しませんでした。

 “コロナ自粛後遺症”の原因は、コロナ自粛の影響で、コロナ以前には通常の生活習慣であった、毎日の散歩や買い物、2か月に1回の美容院、毎週の歯科通院、週1回の教室やジム通い、家族や友人とのランチ、といった生活習慣が失われたことにあります。このような患者さんに私が勧めているのは、うつ病の回復期に用いられる行動活性化療法(認知行動療法の一つ)です。これについては、以前のブログで紹介していますので参照ください。

 

 

 もっとも、“コロナ自粛後遺症”なるものは病気ではないので、やり方は気楽に構えていただいてます。おじいちゃん先生からは、

 

 <コロナ前にはやっていたけれど、今はやらなくなっていること、何かないですか?小さなことでもいいから、自分で見つけてください。取っ掛かりはおっくうでも、やってみたら気が晴れて、やってよかったと思いますよ。やってみて、こんなことやらなきゃよかったと思ったら無理してやらなくても結構ですが。・・・“GoToトラベル”も大いに結構(残念ながらおじいちゃん先生はその恩恵に預かっていないけれど)。電車やバスは危険な場所ではないし、旅行先で酒飲んで、ドンチャン騒ぎをする(唾を周囲にまき散らす)などは控えて、静かに旅情を味わってください・・・>といったアドバイスをしています。こういう話をすると、

 「そういえば、好きだった買い物にはあまり行かなくなってますし、体操教室も行かなくなってしまいました」といった具合で、言われなければ、自粛後遺症だとは気づかない方が結構いるんです。

 

 皆さんも是非チェックしてみてください。まず“気づく”ことが、第一歩です。