お盆なので、父のお墓参りに
お盆といえば、怖い話がつきものだが、
お墓参りをする度に思い出す出来事
それは、父が亡くなってから初めて
一人で行ったお墓参り
まだ場所を明確に覚えていなくて、
墓地で迷子に
「あれっ、ここじゃない
どこだったかなぁ~」
ちょっと不安になりながら
父のお墓を探していた私
すると突然背後から
「貴様、何者だっ~!」
と怒鳴る声
驚いて振り返ると、そこには
古くて立派なお墓が
「すっ、すっ、すいませ~ん」
慌てて小走りにその場を立ち去る
立ち去りながら、
「決して怪しいものではありません。
道に迷っただけです。ごめんなさい」
と心の中で語りかける
やっと父のお墓を見つけて一安心
落ち着いて先程の出来事を
思い出してみた
きっとさっきのおじさん?は、
成仏し損ねてあの場所にずっと
いる人(霊)なのかな?
成仏の解釈には宗派によって
様々のようだが、
以前私が聞いた話によると、
死後1週間以内に自分の死を
受け止め、この世の未練を立ちきり、
あちらの世界に行かないと、
あちらの世界へと通じる道が
閉ざされ、成仏出来なくなると
1週間って短っ
生前、死後の世界を信じず、
死んだら全て終わりと思っている
人ほど、死んでも自分の「意識」が
あることに、どう対処したら良いか
分からず、でも死んだらお墓に行くもの
という刷り込みがあるからお墓に
行くけど、成仏も出来ずに、
ただ行き場所もなくお墓にいつづけ、
お墓参りに来て、道に迷っていた
女性を、墓荒らしと思って怒鳴ってみた
そんなとこかなぁ~と
今でこそもう道には迷わないし、
もう怒鳴られたくないので、
あれ以来「あの場所」には行かないけど、
今もあのおじさんはあの場所に
いるんだろうか
やはり生前中に、
魂へのリスペクトを持つこと、
いつ死んでも迷いなく逝ける
心づもりは必要なんじゃないかと
お墓参りの度におじさんの事を
思い出すと共に、墓地に眠る、
または留まっている魂達に敬意を
払い、お墓の前を通過する時には、
「失礼をいたします。お邪魔いたします。」
と呟きながら通らせていただく
きっとお墓のご近所さんの間では、
「お行儀の良い娘さんですね~」と、
言われて、父も鼻が高いんじゃないかと
勝手にそう思いながら、父の墓前に手を
合わせる
南無阿弥陀仏