アンジェルと光の森
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天使のアンジェラ 第3話

アンジェルの近くで、光を感じると、たちまち元気になれると、
うわさを聴いた人々がたくさん訪れた。

アンジェルは赤ん坊。
すやすやと眠り続けている。

その全身は光に包まれている。
その光りを感じると、
人はとても心地よくなった。

みなアンジェルを天使だよといった。

アンジェルは、小さな家に生まれていた。

アンジェルのもとに訪れて、病のよくなった人々が
アンジェルのところへ、たくさんの食べ物を届けた。

ひっそりとした暮らしが 変わっていった。
物は豊かになったが、母はアンジェルをとても気づかっていた。

アンジェルのもとを訪れる人は、みなアンジェルが大好きだった。
でも、アンジェルの光りを 嫌う男たちが、数人いるのを母は知っていた。

その男たちは、アンジェルが生まれる前、
自分たちは神に選ばれた人間だといい、たくさんの人が集まるようにしていた。

儀式には、たくさんの品物が必要だった。
街の人々は、自分が食べるのを押さえて、捧げた。
捧げるものがすっかりなくなっても、なんとかしようとした。

アンジェルが生まれてから、この男たちのもとを訪れる人などいなくなっていた。

男たちは、アンジェルをじゃまだと感じていた。

アンジェルのところへ、品物を持って来た人に、母はいった。
「まずは、あなたの子どもに与えなさい。そして、あなたもお食べなさい。」

品物を届けに来た女性がいった。
「アンジェルの光りで、すっかり、元気になり、働けるようになったのです。
どうか受け取ってください。」

母が受け取ると、
「ありがとうございます」
と、その女性は言った。






アンジェラの誕生 第2話

生まれたくない。
だって、生まれる前から、どうなるか知っていた。
あまりにも悲しい終わりを迎える事も。

でも、生まれなくてはならなかった。
この生をこばんでいたら、次の生もない。

ただ、通過するためだけに、生まれてきた。

アトランティス。
女の子として誕生。
生まれる前から、不思議なことの連続で、街では神の申し子が生まれるとうわさになっていた。

女の子は、月夜の晩に、
光に包まれて生まれてきた。

名前はアンジェラホワイト。

白くて、光りに包まれて、静かに誕生してきた。
夜の海が見えるところで。

たくさんの人がアンジェラの誕生を祝い、かけつけた。
神の申し子を一目見ようと、おとずれた。

光に包まれたアンジェラをみて、光りに触れると、人々は病が治ると信じていた。

街角の小さな家に光がともり、人が集まった。

アンジェラはとても静かに寝ている事が多い子だった。

だって、あの青い夜空の眠りが好きだったから。
寝ている間は、あの青い夜空と光の国にいけたから。

起きているときは、生まれた国を感じて、
寝ているときは 光の国を感じていた。

どちらの国も行き来できた。
やがて、生まれた国で過ごす時間が 起きている時間に合わせて長くなっていった。








光の国で 第1話

光の国で あらたな生を受ける。
「さぁ、あらたな生の準備ができましたよ。」

いやだ、いやだ。行きたくない。
安全な空気と温度で守られた、カプセルの中にいたい。

光から涙がこぼれた。

あなたに 涙をあたえよう。
生まれたときのために。

光の国の大天使は、そういって、涙が落ちていく途中で 光を送った。

光を含んだ涙は地上に落ちて、地面に沈み、小さく ちりばめた 光を放つ エネルギーとなった。

地面の中で、完全な育ちを告げたのだ。


青い夜空で プロローグ

青い夜空で、ふわふわと眠りながら。

眠りから、さめたくないよ。
ここは 安らかな眠りのあるところ。

青い星をさがしているの。
永遠の青い星。

でもね、もうこうしてはいられない。

次の旅がはじまったから。