I.Hは洛山が勝利をおさめた。

だが、肝心の黒子は一度も試合に出ず、何も変わらなかった。

つまり、桐皇に勝っても意味がなかったことになるのである。

時期は進み、W.C。誠凛の予選、誠凛VS霧崎第一では、キセキの世代全員がそろっていた

しかし、そこに桐皇の姿はなく、黒子の姿もなかった。

「俺等の目標の邪魔すんな。」

そういってダンクした青峰。

それと同時に試合終了の音がなり、歓声が響き渡る

喜びをわかちあいながら、誠凛が後を去ろうとしたとき。

『これより、20分の休憩をとった後、桐皇対霧崎第一の試合を始めたいと思います』

通常、こんなことはない。

キセキたちは桐皇という学校名を聞いて顔をこわばらせた。

「その黒子っての、でてくんのかよ?」

「さぁな。あいつは考えていることが、読めんのだよ。」

誠凛が客席に移動し、席に着いたところで歓声が響き渡る。

「桐皇が入ってきたぞ!!」

そんな声とともに、応援する声が響き渡る。

コートに目を向けると、そこには今吉を先頭とした桐皇が入ってきていた。

これからアップをするのだろう。ジャージを脱ぎ始めている。

その中に、青峰は懐かしい水色を見つけた。

その水色は観客席のほうを不意と向き、青みねと目を合わせる。

思わず青峰は立ち上がってしまった。周りから視線が突き刺さる

「テツ・・・・・・っ!!」

「あ、ほんとだ。テツくーん!!!」

「くろこっちぃいいいいいいいいいいい!!」

と、いっせいに桃井と黄瀬が騒ぎ始めた。

黒子は無表情で見つめると、どこからか取り出した拡声器を口に当てた。

『黄瀬くん、うるさいです。』

ただひとこと、そういってボールを持ち、さっさとアップに向かってしまった。

「くろこっちぃいい!!ひどすぎるっすよ!!」

「そーいうところがうるさいんだろうが!!」

「ぎゃん!!」

笠松に沈められる黄瀬。見なかったことにしておこう。

そんなこんなで20分が経ち、試合が始まった。

「やっぱり、黒子くんは最初から出ないのね・・・」

相田がつぶやくとおり、まだ黒子はベンチにいた。

そして、無表情のままコートを見つめている。

第一Qは24対13で終わった。今は桐皇が勝っている。

が、やはり霧崎第一はラフプレーをしてきて、ところどころに傷が目立った。

「桜井くん、先輩方、大丈夫ですか?」

「僕は大丈夫です・・・」

「たいしたことやないんやけど、さすがになぁ・・・」

「あいつらムカつくっ!!殴って「それはだめです、若松先輩」・・」

桐皇は苛立っていた。この特別試合、本当はなかったのだ。

自分が原因でこうなってしまったことに、珍しく黒子は表情筋をうごかした

「僕が、花宮さんと会わなければ・・・」

そぅ、誠凛と霧崎第一が戦う前、二人は出会ってしまった。

なんだかんだいいながらも、黒子は卑怯なことが許せなかった。

『・・・彼らを傷つけるくらいなら、僕を傷つけたらどうです?

まぁ、あなたみたいな弱さじゃ、僕にかないませんけどね。』

わざといやな風にいい、挑発して特別試合に持ち込んだのだ。

「監督、僕も第2Qから出ていいですか?」

原澤は考えるように黒子を見て、選手の状態を見た。

「まぁ、いいでしょう。ただし、第2Qの途中からです。」

「はい、ありがとうございます。」

お礼を言ってから、いつでも出れるようウォーミングアップをする。

そしてまた、第2Qをつけるブザーが鳴る。




「桐皇はラフプレーで余計な動きができないけど、

ラフプレーを先読みしてよけている・・・?」

「・・・・たぶん、テツ君です。テツ君は、相手の動きを読み取るのが得意だから。」

観客席では、そんな会話がされていた。

赤司も食い入るように見つめていて、観察している。

第2Qが終盤に近づいたとき、ブザーがなった。

「桐皇、選手交代です!!」

それとともに、黒子がコートに足を踏み入れる。

「やーっと交代かよ。」

「テツヤくん、がんばりましょう!!僕なんかがすみません!!」

「まぁ、気楽にいこうや。」

それぞれが声をかけ、黒子とハイタッチをする。

黒子は返事をしながら、花宮の前に対峙した。

「やっとおでましか。」

「はい、待たせましたね。ところでしっていますか?

人を傷つけた人は地獄に落ちるそうですよ。」

「んなもん信じるわけねぇだろうが、ばぁか。」

「そうですか。でも、僕を怒らせてどうなっても知りませんよ?」

黒子はそういいながら離れていく。

そしてまた、試合が始まる。

桐皇はラフプレーに動きを制限されていた。

それに対して、パスをしようとされれば蜘蛛の巣の効果により、カットされる。

第2Qは54対37で終わった。

第2Qで黒子は様子見をしていただけで、ほとんど動いていなかった。

「・・・今吉先輩、僕はほぼ独断で動きますから、ボールから目を離さないでください。」

ただ一言、そう告げてまたコートに入っていく。

「蜘蛛の巣で連携がとめられるなら、ボールに触れさせなければいい話です。」

一人、つぶやいて黒子は目を細めた。