語り部アロマが紡ぐ

「輝きの姫 第125光」聞いていかれませんか。

 

テイト国 はじまりの森

 

ジェジュンの手のひらに立つふたりの妖精。

漆黒のサラサラした黒髪を背に下ろし、純白の衣を着た青年。澄んだ空を思わせる青く青い瞳は、自ら光を放っているかのように美しく輝きジェジュンを見上げていました。

隣には、手に杖をもったスラリとした女性がいます。髪はピンク色に輝き白い衣はゆったりと細い体を覆っています。

「ネネ!ジェイジェイ!逢いたかった」

 

「ネネって、黒い子猫のネネ?ここで輝きの姫にあげた猫のこと?」

ユノの疑問に頷いて答えるジェジュン

「ユノにはジジって言った方が伝わるかな。暗黒魔法のせいで子猫の姿のままになっていたんだ。本当のネネは数万年未来の妖精王なんだって。ジェイジェイはお妃様。ピラミッドの中ではユチョンの攻撃魔法から僕とチャンミンを守ってくれたんだ。あのときはありがとう。旅の途中も、いろんなヒントを教えてくれてありがとう」

 

ネネとジェイジェイはニッコリ微笑みます。

「オリオンのベルトのピラミッドの中で私は

『始まりの幕を開けることと、幕引きのために私とジェイジェイは召喚された』

と申し上げました。

暗黒時代は『光らぬ石が積みあがったから』訪れたのです。『自分の太陽』を輝かせるための気づきを促すには、ある程度の試練が必要でした。

あの予言の日、祈りびとの館から私はわざと、ジェジュンを外に連れ出しました。

10年の時が流れ、ユノとジェジュンとチャンミンとジュンスは期待通りの身体的・精神的成長をみせた。

試練の時を終わらせる為に妖精の国に案内した。アキジェ王とキノコンヌ王妃の助言を得て、ジェイジェイの報告により、あなた方は為すべきことを果たしてくれました。

 

ユチョン、あなたに類まれな才能と、あなたを大切に思ってくれる人がいたからこそ暗黒時代を引き起こす役に選ばれたのです。つらい役目でしたが、よくやってくれました。でも、ユチョンも大事なことに気付けたでしょう。

 

皆には心から感謝いたします。さあ、まだ、これからですよ。雪は解け、昔のように春夏秋冬の季節が戻ってくるでしょう。テイト国の人々の波動を高めるために、新たな光を皆の心に灯すために何ができるでしょうか。考えてみてください。

 

さて、私たちは自らが治める時代に戻ります。

数万年後、『パライバトルマリン』と『パパラチアサファイア』が地中から見いだされ人々の手に渡って初めて、私たちは妖精王に就任します。

ですが、その時代も、人々の波動は低くなり、地球の存続自体が危ぶまれていました。

世界的に感染症が蔓延し、人々の移動が制限された結果、地球環境の劇的な改善を目の当たりにした人々によって、ようやく再生可能・持続可能な製品への関心が高まってきました。

人間が自然と共存できる道を歩んでくれますように。

ユノ、ジェジュン、チャンミン、ジュンス、ユチョン。どうか祈っていてください」

 

「数万年未来の地球のために祈る?」

「そう。人の思いは波となり、大気に、宇宙に広がります。消えることなく、どこまでも、いつまでも存在する。

そして、人の中にも宇宙があるということに気が付いた時に、意識が大きく変わるのです。

どんな時も、今という瞬間に、どういう思いを持つのかが大事です。

心地よい思いを、言葉を、表現を発することは、まさに宇宙レベルの愛なのです。

では、私たちは還ります。皆さん、お元気で」

「手助けをしてくれてありがとうございました。さようなら」

 

続く