語り部アロマが紡ぐ

「輝きの姫 第70光」聞いて行かれませんか。

 

テイト国 びわ湖の妖精の国

 

ジェジュンが案内された王の間には、すでにジジがいました。

ブラッシングがかけられたようで、黒い毛が艶やかに輝き、首には赤いリボンが華やかに飾られています。

ジジの向こうにユノとチャンミンもいました。

 

玉座はまだ空席です。

 

ユノがジェジュンの声をかけようとした時、チャンミンが駆けだしジェジュンの手を握ります。

「ジェジュン!離れ離れで心配していました。いつもキレイですが、この青い衣装、素晴らしくジェジュンに似合っています。すごくステキです!」

愛らしい笑顔でそういうチャンミンの装いは

艶のある黒地に黒いレースが飾られた短いシャツ、白いタイツにニーハイの黒いブーツ。

ウエストには、白いタイツに映える黒いレース柄が奇麗に並んでいます。

「チャンミン。めっちゃ足長っ。物語に出てくる騎士みたいだ!」

黄色い妖精が説明してくれます。

「チャンミンの衣装は『chocolate』と名付けられています」

「ネーミングの意味は分からないけど、チャンミン。かっこいい!」

 

コツ、コツ、カツッ。

金のバックルの付いた黒い靴で音を響かせ、ロングジャケットを翻し踊るような足取りでジェジュンに近づき、チャンミンからジェジュンの手をサッと奪い取るユノ。

 

羽の金刺繍が流れるように入った緋色のジャケットに、黒地に金模様が規則的に入ったパンツスタイル。前髪を上げ、両サイドからハラリと額に落ちる様が、まるで凛々しい貴族のような装いです。

赤い妖精が微笑みます。

「ユノの衣装は『reboot』というのよ」

「ユノ。ステキ」

そう呟き、しばしユノに見とれるジェジュン。見上げるまあるい瞳に、胸の鼓動が高鳴るユノ

「ジェジュン。きれいだ」

短い言葉のやり取りだけですが、お互いの麗しさを十分讃えられています。

はじかれたチャンミンでさえ怒るのも忘れ、ふたりの極上の美装に見とれていました。

 

扉の装飾のスズランの花が揺れ

 

シャラーーーーンと奏でました。

「アキジェ王、並びにキノコンヌ王妃のおなりでございます」

ドアを守る兵士が声高らかに宣言します。

ささっと横一線に並ぶユノ、ジェジュン、チャンミン、ジジでした。

 

続く