語り部アロマが紡ぐ

「輝きの姫 第60光」聞いて行かれませんか。

 

テイト国 さいかい街図書館のカフェ

 

腰にさげた剣が揺れないよう押さえながら駆けてきたチャンミン。遠目にも際立つ美貌のジェジュンを見つけ、つい大きな声で呼びかけます。

「おまたせしました!ジェジュン」

ユノとドリンクのメニューを選んでいたジェジュンが顔を上げ微笑みます。

「チャンミン!」

その瞬間、チャンミンの脳裏には10年前の金髪で白い衣を着た愛らしいジェジュンが浮かびました。テーブルの席に座ります

「・・・逢えて嬉しいです」

感慨深げにつぶやくチャンミンでした。

 

ユノが3本の瓶を持ってきました。

「温泉の飲用水だってさ。ミネラルが豊富だからデトックスにいいって書いてあったぞ」

瓶には木のストローが入っています。

「うわっ。こんなの初めて見た。筒状の、木だよね。めちゃ薄いじゃん。えっ。どうやって出来ているんだろ?まさかくりぬくとか?」

ジェジュンがストローを手にしてビックリしていると

「0.15mmにうすくスライスした木の板を筒状に丸めたものだそうですよ。ウッドストローというようです」

チャンミンがパソコンで検索してくれました。

「チャンミンって賢い」

ジェジュンの呟きを聞いて、ユノがはっと息を飲みます。

 

「もしかして、あの天才少年のチャンミンか!暗黒時代の予言を解読した。他にも食糧庫に村人以外の者が扉を開けようとしても開かないシステム『チャンミン・ベル』を作ったって賢者か!」

「はい。私のことです。もう少年ではなく19歳になりますが」

「俺よりいっこ下なのか。めちゃめちゃ賢いし、いろんな役に立つもの発明してすごいよな」

「で、なんで賢者が勇者の恰好してるの?」

「机上の勉学だけでなく、実際の冒険も経験したくて。その腕の金色に輝くブレスレットをみると、おふたりは特級戦士ですよね。ぜひ一緒に旅をさせていただけませんか?」

「旅の仲間がふたりから三人になる・・・おもしろい!いいじゃん。ねっ、ユノ」

「おう、賢者ならいろいろ役に立つだろうし、いいんじゃないか」

ふたりの同意を得て、ニッコリ微笑むチャンミン。

「では、よろしくお願いいたします!」

ユンジェミン。揃いました。

 

続く