語り部アロマが紡ぐ
「石想アドバンス レベル130」聞いていかれませんか
水晶の街 草原
突き付けられる正論に頑なに、反発するサザンクロス。
「ヒヒイロカネが、生き返らせてくれる!」
「そんなことはできない!その石は、ただパワーを欲しがるだけだ。ただそれだけだ。サザンクロス、お前の望みは叶うことはない。・・うすうす、気づいているんだろう」
「だめだ!ここで諦めたら・・・私が奪ってしまった命が無駄になる・・・
やらなきゃ。
やり続けなきゃ・・
なんのために、この手を血に染めてきたか・・・
彼らの叫びを踏みにじってきたのか・・・」
「もうやめよう、サザンクロス。
ポーラスターは、哀しんでいるよ。
パワーストーンマスターであったあなたが、人の役に立つために頑張ってきた貴方が・・
なぜ哀しみのなかに、いなきゃいけないのっ」
ジェジュンの、優しく染み入るような声は、サザンクロスの頑なな心を、溶かし初めたようです。
「人の役にたつ・・・俺はポーラスターのために・・」
「ポーラスターが、そうしてって望んだわけじゃないだろう。彼女の死を、受け入れられなかったサザンクロス、お前の心の弱さが、この惨劇を招いたんだ」
認めたくなかった真実を、突き付けられ呆然とするサザンクロス。
「俺の、弱さのせい・・」
「そうだ。自分の弱さを認めて、ヒヒイロカネの誘惑を跳ね返せ!サザンクロス!!」
「ポーラスターは死んだ・・・
ヒヒイロカネに蘇らせる力はない・・・
じゃあ、俺のしてきたことはなんだったんだ。
そんな・・・取り返しのつかないことを・・・俺は・・
うわああああ!」
自らの体に、剣を突き立てようとするサザンクロス
ガッキイイイイーーーーン
と、サザンクロスの剣を、弾き飛ばすユノ。
「死んでなんになる!今は、その命懸けて、ヒヒイロカネの暴走を止め、破壊することを考えろ!!判ったか!!」
膝をつき、頭を垂れるサザンクロスであったが、やがて、声を発した。
「・・・ヒヒイロカネを、破壊できるというのか?」
「俺たちの旅で得た、強いエネルギーを持つアイテムが五つある。
『月明かりの森で、大蛇を退治した剣』
『チャンミンの、ドワーフに創られしシトリンのサークレット』
『ユチョンの、人魚の国で育まれたアクアマリンのブレスレット』
『ジュンスの、アズライトのプレート』
『ジェジュンが、精霊から賜った琥珀の球』だ。
これらの強いエネルギーを、ヒヒイロカネにぶつけ、内部からの破壊を狙う」
目の前に出された五つのアイテムを、じっと見ていたサザンクロスは、順に指さしながら、説明していきます。
「琥珀は『木』
アズライトは『火』
ドワーフのシトリンは、まあ、『土』と捉えられる
剣は『金』
アクアマリンは『水』だ。
自然界を構成する五つの要素、『木』『火』『土』『金』『水』が、すべて網羅されている。お前たちは、五行説という思想を知っているのか?」
「いいえ」
チャンミンが答えます。
チャンミンでも、知らないことがあったのかと、驚く4人でした。
「まあ、俺も、そういう要素があるってことしか、知らねえけど、きちんと揃っているってことが、偶然じゃねえ気がするよ。意識して集めたわけじゃないんだろう」
「はい。自然に、それぞれの手元にやってきたのです」
「なんだかなぁ。『希望』ってのが、感じられることで・・・」
目を伏せ、考えていたサザンクロスが、居住いを正します。
「ヒヒイロカネ退治、共に戦わせてくれ。頼む」
土下座をするサザンクロス。その前に正座して並ぶ5人。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
頭を下げるユノ、ジェジュン、チャンミン、ジュンス、ユチョンでした。
To be continued