語り部アロマが紡ぐ
「石想アドバンス レベル25」聞いていかれませんか?

月明かりの森 旅人のゲル
ジェジュンにピッタリくっついて座っているユノが問います。
「その大蛇が村を襲うとでも言うのか?」
にんまりウインク付きでジュンスが答えます。
「ヤマタノオロチって名で呼んでるんだってさ」
ユチョンが首をかしげます。
「でも、『蛇』なんだろう?」
それがどうしたのって顔のジュンスくん。
「うん」
ユチョンの疑問をユノが説明してあげました。
「蛇はしゃべらないだろう」
皆の疑問がやっと理解できたジュンス。
「あ、そだね。でも、ボクみたいに感じ取れる人がいたらわかるよ。うはん」

眉間にシワを寄せたチャンミンが質問します。
「『ボクみたいに』って、ジュンスは動物の感情がわかるのですか?」
ニッコリジュンスくんは答えました。
「うん、集中すればね。ユチョンもできるよね!よく樹に話しかけてるもんね」
ニコニコしたジュンスに、苦笑いを返すユチョン。
「おっと、見られてたとは・・うかつだった。早朝とか一人になれるときにしかしてなかったのに~。じゅんす。すげ~」
ドングリ眼でふたりを見詰めるチャンミン。言い聞かせるようにゆっくり言葉を紡ぎます。
「ジュンス。ユチョン。きちんと説明をしてください」
横目でお互いの顔を見合わせ、肘でつつきあい説明役を譲り合うジュンスとユチョン。
どうやらユチョンが諦めたようです。
「ん~。なんだろ。大自然と感応できるとでもいうのかな。俺は植物の想いが感じ取れるんだ。で、ジュンスは動物の気持ちがわかるってことだよね」
「そうだよ。うははん」

チャンミンの眼がキラキラします。
「それはそれは、素晴らしい能力ではありませんか!活用しましょう。ユチョン、その能力で集めた情報は?」
「もう、なんで木々から情報集めたってわかるのよっ。チャンミン」
眼力めっちゃ強いチャンミン様。
「情報」
「はい、月明りの森といわれるだけあって木々はたくさんありましたのでお尋ねいたしました。そしたらさぁ、『蛇が悪事を働いている』って。どの樹も同じことしか言わないんだよ~」

じっと聞いていたユノが話をまとめます。
「呪術師ゼダが、
『村を護るため新月の夜、北の沼のヤマタノオロチに生贄を捧げよ』
とエルザの父にせまり、エルザが生贄に決まったということか」
チャンミンが言葉を継ぎます。
「呪術師ゼダは何者?
なぜ村長はその言葉に従うのか?
生贄がなかったら村はどうなる?
ヤマタモオロチの要求を直接聞いたものは誰?
さあ、謎はまだ多い。
タイムリミットまであと2日。
今日中に謎を解けるかがエルザを救うための必要条件です。出来ますか?」
「「「「おう。まかせとけ!」」」」

To be continued