語り部アロマが紡ぐ
「石想アドバンス レベル6」聞いていかれませんか?

アルカディア王国 

今日は5人の居室のリビングで講義がありました。ジェジュンの座るソファーに当然のように隣に掛けるユノ。しかも体がピッタリくっつく距離感ゼロ。
「ちょっ、近い!ユノ」
ジェジュンが反対側へ距離を取ろうとしますがソファーの肘掛けがあり動けません。ユノの方を向き、退け!と目で合図します。
「ん~。だって俺はここがいいんだ。ジェジュンの綺麗な顔を眺めたり、そばでその柔らかな声を聴きたいんだもん」
ユノの言葉にきゅんとなるジェジュンの心臓。よくわからない自分の反応に戸惑うジェジュン。
「・・・っ。勝手にしろ!」
この日からジェジュンの隣はユノという暗黙のルールが出来上がったのです。くっ付いて座っているとユノの少し高い体温が伝わってきて、すごーく安心できる感覚を不思議な思いで感じるジェジュンでした。
チャンミンは自分のテリトリーを侵害されない、ゆったりとした一人掛けの椅子を好みました。
ジュンスとユチョンは一人ずつ座ったり、くっ付いていたり、その日の気分に合わせて座っていました。でもくっ付いているとじゃれ合うので講師から離されることがしばしばではありました。でも、ユノとジェジュンがくっ付いて座っているのはとても自然で、見目麗しい様子でしたので誰も引きはがすものはおりませんでした。
さあ、今日の講義が始まります。
「皆さん、日々健康に過ごしたいと思いますよね。でも体調を崩したり、病気になったりする。
身体が健やかで、精神的にネガティブな潜在意識に苛まれていない状態、身体のバランスが取れていると自然治癒力が湧いてきます。それだけでなく、人間にもともと備わっている直感をはじめとした能力が目覚め、大きな力を発揮することができるようになるのです」
テーブルに並べられているアメジスト、シトリン、ターコイズ、ラビスラズリ。石を手に取りながら名前を教えてくれます。
「自然界に存在するすべての石は、何らかのパワーを秘めています。そのパワーは目には見えませんが、私たちの体や魂に働きかけ癒してくれます。そうした力を強く宿しているのがパワーストーンなのです」
「石はどうしてそんな力を持っているの?」
ジュンスの質問に答える講師。
「宇宙はすべての存在を愛し、護り、癒し、進化・発展させる力に満ちています。この宇宙の力によって生まれた地球という美しい生命体の中で、個性的、芸術的に一つの形に創造されたのがパワーストーンです。いわば宇宙からの贈り物ともいえるパワーストーンを扱う技を習得したものがパワーストーンマスターなのです。心身のバランスを整えて癒す力、人間本来の能力を目覚めさせる力を最大限活用できる技を皆さんはこれから習得していくのです」
「そっか!『宇宙は愛』なのか!」
ジュンスの叫びにどっと笑いが起こります。
「とらえ方が大きすぎでしょ。じゅんすぅ。そういうとこ好き!」
ユチョンの突っ込みにまた笑いが起こりました。

To be continued