語り部アロマが紡ぐ

「地上に花 夜空に星 二十五輝」聞いていかれませんか

 

東方高校 

6月インターハイが始まります。サッカー命のジュンスは、『打倒!市立舟橋』という大それた目標を掲げ日々練習に力を入れています。

「市立舟橋って、インターハイ8回優勝実績のある強豪校でしょう。無謀ですね」

チャンミンが冷静に分析します。

「いいんじゃない~。強い敵に挑むなんて、じゅんすぅがいつもゲームで挑戦していることを実践しているんだよ~。最強ボスを倒してこそゲームクリアだもんね」

「サッカーをゲームとおんなじに考えるか?」

「すてきだよぅ。ジュンス。自分の限界を超えての挑戦。かっこいいよぅ」

「えへへ」

「だれも達成できないって言っているのわかっていますか?ジュンス」

「もう。チャンミン。東方高校に地区大会突破の実績がないことぐらい知ってるよ。でも、最高の敵を倒したい!っていう思いは、チームの闘志につながるんだ。『東方の闘魂』さ。フィールドでは何が起こるかわからない。ロスタイムでの逆転だってある。だからサッカーは面白いんだよ」

「ジュンス。かっこいい!」

「ジェジュン。ありがとー」

「俺もカリスマジュンスのファンだから~」

「ユチョン、きもい」

「ひどくないっすか。ジェジュンと扱い違うくね? 」

 

なんやかやと、けなしてても、ちゃんと地区大会当日には声援にいくユチョン、ジェジュン、ユノそしてチャンミンです。

ジュンスがゴールを決めたり、敵の反則があると一番リアクション大きく、ハイトーンボイスを響かせるのは、他ならぬチャンミンでした。

 

そして、県大会優勝をかけた一戦。健闘むなしく、敗退した東方高校。

制服に着替え、メンバーみんなが帰途についたのを見送ったキャプテンジュンス。

フィールドを見つめ、声を押し殺し、肩を震わせて涙を流す切ない姿のジュンスを

ジェジュン、ユチョン、チャンミンそしてユノが大きく抱き包みます。

 

大柄な5人が、ひとつの固まりとなった影が、地上に長く伸びています。仲間が見守ってくれていることの暖かさを、みんなの涙と共に感じたジュンスでした。