語り部アロマが紡ぐ

「地上に花 夜空に星 二十輝」聞いていかれませんか。

 

東京ディズニーランド入り口

 

ちょうど、ウェルカムタイムでディズニーのキャラクターたちが、花壇のあちこちに現れました。お客さんから一斉に取り囲まれ、写真撮影が始まります。キャラクターのそばには、お兄さんがついていて、順番に並ぶよう手際よく仕切っています。

「小さい頃、俺も撮ったなあ。アルバムに写真が残ってる・・ん?」

場内に進もうとしたユノは、ぎゅっと恋人つなぎしている手が引っ張られるのを感じます。

ジェジュンが立ち止まり、じっとミッキーの人だかりを見つめていたのです。

「・・ジェジュン。すっごく並ぶけど・・ミッキーと写真撮りたい?」

襟ぐりの大きいざっくりした編目の白色のサマーセーターを着たジェジュン。 チュニック丈のセーターに黒スキニーの装いは、女の子にしか見えません。袖口が指まで届く、いわゆる萌え袖の手を口元に持っていき、こくこくと頷きます。

その仕草の愛らしいことといったら、普段見なれているはずのユノでさえ、呼吸するのを忘れそうになりました。長い行列の最後尾に歩いていくユノとジェジュン。お互いじっと見つめあって長い時が過ぎることなど、気にならないようです。

「お次の方。お二人ですか?カメラの用意をお願いします」

キャラクター付のお兄さんの大きな声で、はっと現実に帰るユンジェ。ミッキーを真ん中にして記念写真を撮ることが出来ました。

 

ワールドバザール手前のワゴン車に、可愛いキャラクターのカチューシャやチケットケースが売っていました。ユノが目にとめたのは、マリーちゃんの白いネコミミカチューシャです。でも、これを選んでしまったら、ちょっと・・・と躊躇していたらジェジュンが叫びます。

「ユノ!これ、ミニーだよね♪赤いリボンが可愛い!・・僕がつけたら変かなぁ?」

「変じゃない!絶対似合うぞ」

ユノさん。ニコニコです。ジェジュンもニコニコ。可愛いミニーちゃんと化したジェジュンは、アーリーアメリカンな街並みのショップをキョロキョロしながら歩きます。もちろん、ユノの腕にしっかり腕をからませているので、転けたりなどいたしません。ユノも、頼られている事が凄く嬉しいようです。しかも、人目を気にせず、堂々と恋人同士の振る舞いができるのは、普段にはないことです。

 

ワールドバザールを抜けると、正面に優美なシンデレラ城が現れました。

「お、お城・・・お姫様とか王子様もいるの?」

「いるよ。タイミングよく、昼のパレードの時間だ。この辺に座って待とうか」

「おひめさま・・・おうじさま・・」

ジェジュンは、ミモザの妖精さんなのに、夢の国の住人に憧れるのでしょうかね。