語り部アロマが紡ぐ

「極上の未来 scene20」聞いていかれませんか。

 

「ジェジュ~ン。俺のミューズ!ジュンスから聞いたよ~」

ユチョンが真新しい自動車にのって、大きな箱をいくつも抱えて会いにきました。

 

「ユチョン!」

キラキラした瞳で出迎えるジェジュン。頬はふっくらして唇は艶やか、溌剌とした動きに目を奪われるユチョン。

 

「ジェジュン。前にも増して、きれいになった。生き生きしてる。新しいジェジュンを見てるみたいだ。・・いいデザインが浮かびそうだよ。

あ、これプレゼント」

積み上がった箱を渡します。

 

「あっは♪ありがとう。ユチョンの服、肌触りがよいし、おしゃれだし、大好き。あ、ノアママのもある!」

いくつもの箱をひらいて、楽しそうに服をあてているジェジュンの様子を涙目で見つめるユチョン。

ジュンスに話しかけます。

 

「ジュンス。ありがとう。・・本当にありがとう」

 

「ドウイタシマシテ。ボクだけの力じゃないデスシー。

ジェジュンには、愛がイッパイ集まるんです。神様に愛されていますカラ」

 

「そうだね。日の光の中、笑っている姿は、本当に天使みたいだ・・」

 

ユチョンがメジャーと採寸表を取り出します。

「ジュンス。ジェジュン。採寸させて。舞台衣装を作ってあげる」

「お、ラッキーです。有名デザイナーの服、舞台栄えがシソウデス」

 

「ああ、心を込めて作らせてもらうよ。ジェジュンは、スーツがいい?ドレスがいい?」

 

ちょっと眉間にしわを寄せながら、答えるジェジュン。

「・・スーツでお願いします。」

 

「あや、ザンネン」

「もうっ!」

「あっはは」

 

さあ、ジュンスの歌の指導です。

「響きのつけ方をオシエマスー。のどで声を出しちゃダメ」

 

びっくりした顔で質問するジェジュン。

「どうすればいいの?」

 

「ハミングをしてゴラン。舌を上の歯の裏にしっかりつけて、唇は閉じて。

でも、唇に振動が伝わるのは間違いデスカラー。

鼻の中で響かせるノデス」

 

「ん~。っ、ごほっごほ」

 

「ダメダメ。声帯に圧がかかりすぎてイマス。違うデスヨー。

鼻の中で響きが強くなる部分を探すノデス。場所を見つけてから、音階をつければいいデスカラー。

きれいな声じゃなくていいヨー。

がんばって鼻の中に、声をぶつけてその場所を探してゴランナサイ。

そして、その10cm上の部分で響かせるイメージで歌うノデスヨー」

 

「ものっすっごい、むずかしいことの気がするんだけど・・」

 

「うん。ソウデスヨー。カリスマの名は簡単には手に入らないデスカラー。ジェジュン。やって」

 

「う、はい」

厳しい師匠による弟子の修行は続きます。