ようこそ 

語り部アロマの紡ぐ「ルネサンス幻影」第17場scene1

聞いていかれませんか。

 

フィレンツェのヴィスコンティの館。

メイドがユノへ届いた手紙を持ってきました。

 

封を切って便箋を読みながらユノが説明します。

 

「おっ、ユチョンとジュンスがフィレンツェにくるって!」

 

ジェジュンの大きな瞳がくりんとさらに大きくなります。

 

「きゃ!ホント!ユチョンとジュンスが来るって!すっごく嬉しい。ああ、いつ来る?何日いられるんだろ?早く先を読んでっ、ゆのっ」

 

「5日後の午後到着予定って。1週間の休暇を親からもぎとってきますって書いてある。ああ、楽譜が同封してある。みんなで一緒に歌おうだってさ」

 

「うっわあ。楽しみ!わくわくするっ」

 

ユノが唇を尖らせてつぶやきます。

 

「はしゃぎすぎじゃない?ジェジュン・・」

 

拗ねた表情に気づいたジェジュン。にっこり微笑んで

「ユノ。やきもち焼かないで。ちょこっと嬉しいけどね。

ユノは僕の旦那様なのだから、特別でしょ。

 

唇を合わせて深いキスをして、長い指で快楽をくれる。そして僕の奥まで入り込めるのは、ユノ・・貴方だけ」

 

「ああ、そうだな。俺だけがお前に触れられるんだ」

 

低く甘い声で囁き、ジェジュンの赤い唇を堪能しようとしたユノ。

 

便箋の中の楽譜が目に入ったジェジュンはぱっと身体を離し

 

「あ、楽譜!練習しなきゃ。ユ~ノ。続きは夜にね」

 

「あっ、こら。ジェジュン。逃げるな」

 

すでに部屋から出て閉められたドアを見つめ

 

「・・主導権は俺のはずなのに、ジェジュンのいいように惑わされている気がしてきた」

 

「今頃気づきましたか?鈍いにもほどがありますね。ユノ」

 

「のわぁ。いつからいた!チャンミン」

 

「メイドが手紙を持ってきたとき一緒に部屋に入りましたが・・、

まさか気づいていなかったのか?おん。

ジェジュンしか視界にはいらねぇのか?お前の目は茶色いガラス玉か!」

 

「あ・・いや。えっと・・」

 

「まあ、そんなことより、夫人に伝えて客間の用意と、音楽発表会の場を設定しなさい。

我ら5人の美声をフィレンツェの方々に披露するに相応しい華やかな場を作っていただきましょう。もちろんおいしい料理も振舞われなければなりませんよ」

 

「わ、わかった」

 

次へ続く。