ようこそ 

語り部アロマの紡ぐ「ルネサンス幻影」第11場scene1

聞いていかれませんか。

 

ユノに「お前は魔力を持っている。俺を落とす為に魔力をつかったでしょ。」と言わしめたジェジュンの魅力。誰もが認めるその魔性を証明する物語をいたしましょう。

 

 

ビィスコンティの館。

一家揃っての旅支度でビィスコンティ夫人は朝から大騒ぎです。

「ジェジュン。私のドレスに合う宝石見立ててくれない?

ああ、ユノの服は選んでおいてくれた?あのこったらスタイルいいのにファッションセンス持ち合わせていなくて・・。ジェジュンが選んでくれたなら安心よ。

それからジェジュンのドレスもちゃんと詰めた?ジェジュンの女装を手紙で妹に自慢したらすごく見たがっているの。わざと忘れたりしないでね。うふふ。

ねえ。頼んでおいた劇の台本は考えた?14日後みんなの前で発表できるかしら?

 

あなたー。大型馬車の到着は何時だったかしら。

そうそう。お弁当もたくさんもっていきましょ。

今回はチャンミンも付き合ってくれるからうれしいわ。ヴェネツィアには、年の近いユチョンやジュンスもいるから。

楽しい旅行になるわよー。ふふふ」

 

アドリア海に面したヴェネツィアは、フィレンツィエから北に位置している水の都。

道路ではなく水路が道であり、ゴンドラや船が往来する不思議な雰囲気をたたえています。

ヴァネチアングラスは特に有名で、その技術を他の都市に盗まれないようムラーノ島に職人を集め門外不出としているのです。

魚介を使った郷土料理はチャンミンの舌を満足させること請け合いです。

 

夫人に怒られないよう、荷物をまとめ馬車に乗り込むジェジュンとユノ。

揃いの金のリングをつけた指を絡ませ隣同士ぴったりくっついて座ります。

チャンミンはお弁当をつめたバスケットをユンジェとの間に置いて席に着きます。

ビィスコンティ夫妻は向かい側に座りました。

 

さあ、楽しい旅行へ出発しましょう。

 

 

次へ続く。