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語り部アロマの紡ぐ「ルネサンス幻影」第6場scene1

聞いていかれませんか。

 

ユノに「お前は魔力を持っている。俺を落とす為に魔力をつかったでしょ。」と言わしめたジェジュンの魅力。誰もが認めるその魔性を証明する物語をいたしましょう。

 

 

ビィスコンティの館。ジェジュンがメイド達に連れ去られて1時間。

ユノとチャンミンは盛装して玄関ホールのソファーで待っています。

ユノは金織物の上着にオレンジ色の短いマント。

チャンミンは左右色の違う上着に黒のマントの装いです。

 

ビィスコンティ氏に手を引かれ、玄関ホールにあわられた白いドレスのジェジュン。

サラサラした長い黒髪は綺麗に梳き整えられ頭に銀色と青色のヘッドドレスを載せています。胸下で切り替えられたエンパイアスタイルの白いドレスには銀色の刺繍が施され、ジェジュンの瞳の色と同じ青い宝石が襟元を飾っています。薄くメイクしただけで目をみはるほど女性らしい仕上がりです。

「さあ、出来たわ。見て頂戴。この美しい姿。来月で16才になるのよ。私の言った通りでしょう。これほど美しい娘はそうそういないわ。ドレスの仮縫いのときからメイド達が騒いで大変だったのよ」

夫人が自慢気に話します。

「うむ、私も花嫁の父の気分が味わえたぞ」

ビィスコンティ氏も楽しそうに笑っています。

「想像以上に美しい出来栄えです。夫人のセンスは素晴らしいですね。さすがです」

チャンミンはビィスコンティ夫人のご機嫌をとることも忘れていません。

 

ユノはジェジュンと見つめ合って言葉がなかなか出てきません。

『・・舞踏会行かせるのやめようか。こんな綺麗なジェジュン。しまっとかないと・・』

ジェジュンとすこし距離を取り、あれこれ考えています。

 

「ユノ。僕変?みんなが褒めてくれるから浮かれていたけど・・。ユノは気に入らない?」

いつもより華やかな目をうるうるさせながら不安そうな顔をするジェジュンをみて、

「うわっ。泣かないで。つい見とれてて・・。こんなに綺麗な人見たことないよ。ジェジュン。すごくすごく綺麗だ」

ユノはあわててジェジュンに触れます。

ユノの手を握り、にっこりと花がほころぶような笑顔を見せたジェジュンに、その場にいた人々のため息がこぼれました。

 

 

次へ続く