ドラマ「聖☆お兄さん」が、先日までNHK で放送されていたので、録画して見ていました。
原作の漫画「聖☆お兄さん」は、ロン毛とパンチパーマ頭の男性二人が、立川にある6畳一間のアパートで共同生活する日常を描いたお話です。
主人公がイエスとブッタというところが、すごく面白い設定になっています。
普段の日常生活の中にイエスとブッタが身体として人間的に存在するとしたら、たぶんこういう風だろうという納得感がこの漫画にはあります。
キリスト教や仏教についての教え、有名なエピソード(例えば「右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい」とか「仏の顔も三度まで」とか)がふんだんに描かれていて、小気味よく面白おかしく読めます。
実はドラマの方は漫画のような面白さがあまりありませんが、ドラマ独自の雰囲気の良さがあり、それなりに好きです。
私は洗濯をたたみながらとかアイロンをかけながらとかに、TVの録画番組をよく見るのですが、この日もそうしようと録画した「聖☆お兄さん」を再生しました。
ところが、この時は既に番組が終わっていたらしく「聖☆お兄さん」は録画されていませんでした。
代わりに映っていたのは、なにやら若いお兄さんが袖なしの白いシャツを着てライブか何かしている映像だったのです。
映像の中で彼は、
「…でも、僕も自分のやってることに誇りを持ちたいし、来てくれたお客さんたちに100%のパフォーマンスをなるべく出せるようにやるのが僕なりのボーカリストとしてのあり方だから、それを理解して欲しいし、理解してもらえないと困るし、もちろん理解してくれてるし、あとは細かいところ…」
というようなことを語っていました。
私は録画されたものが目的のものではなかった残念感もあってか、このお兄さんに対して、
『偉そうに話している割には何が言いたいのかわからん』
と反応しました。
訳がわからないのは、単に番組の途中から見たせいなのですが、あえてそのようには考えないで、彼の話しぶりから“勘違いな人”のレッテルを貼ろうとしていました。
でも、その瞬間、
『いや〜、判断あかんやろ』
と突っ込み(聖霊の声)が入りました。
そして、
『偉そうに話す割には何が言いたいのかわからない“勘違いな人”は、この私じゃないか』
ということに気づいてしまい、急にものすごく恥ずかしくなりました。
なので、この恥ずかしさを聖霊と共に赦して委ね、手放すことにしました。
赦すことだけが私の唯一の機能だからです。
そして、チャンネルをかえようとしたまさにその時、画面はこのバンドのライブシーンとなり、歌声が流れ出しました。
曲は全く知らなかったのですが、お兄さんの歌声を聴いて驚きました。
ものすごくうまいのです。
歌唱力がある上に、英語の発音もネイティブ並み。
声もいい!
曲もジャスティン・ビーバー風(たまたま聴いた曲がだけど)で聴きやすいし、演奏もうまい!
なっ、なんだ⁈この人達は?
この番組はONE OK ROCK (ワンオクロック)というバンドのワールドツアーを密着取材したドキュメンタリー番組だったのです。
ワンオクという名前は聞いたことがあったけれど、なるほど、この人達なんだとちょっと興味を持ちました。
彼らがワールドツアーで訪れたヨーロッパの街のいくつかは、私もかつて訪れたことがあり、景色に懐かしさを感じたのもあって、結局、最後までこの番組を見続けました。
彼らの雰囲気や話すことが、すごく前向きで明るくて、とても優しくて、みんな仲良しな感じがして、それらが映像からバンバン伝わってきます。
彼らは音楽を通じて、仲間とひとつになり、観客とひとつになり、そして、時空を超えてTVの前の一視聴者であるこの私ともひとつになっていました。
私は無自覚に感動して、気づけば号泣していました。
『えっ⁈なんで泣いているの?』
と驚く(自我の)声がして、それに答えるように
『神の愛に触れているから』
という(聖霊の)声がしました。
私はこの映像の先にある何か(感覚的には光みたいなもの)に触れて、とにかく癒されたのです。
それ以来、ワンオクの楽曲をApple Music でダウンロードして聴いていますが、そのたびに、この時の深い感動を思い出し、神の愛は普遍だと実感しています。