ツバメが飛びかう
ちょうど今頃のこと
臨月のおなかで
歩いていた舗道に
迷子のツバメ
まだ飛べない雛が一羽
鳴いていました
熱いアスファルトの上
どこの巣から はぐれたやら…
拾いあげて
両手のひらに包んで
どうしよう どうしようと
途方にくれながら
見るほどに
ツバメの雛って
可愛いのです
雛は巣のあるお酒屋のお兄さんにお願いして
戻してもらうよう託しました…
やがて
生まれてきたわが子の顔が
思いがけず
あのツバメの子に似てる
そう感じて驚いたものです
まる顔に
黒眼がつぶらで
色黒なところ
来月はお誕生日
若く見られたくないのだと
時々 渇いた顔をする
おめでとうのたび
いいお顔になってゆくねと言おう
持ち味のまま 穏やかに 幸せそうなお顔が見たい
さりげなく
彼の耳に入れて
念じていることにします