朝、座禅していたとき

ザーザーという音が聞こえてきた

 

「あ、結構激しく降っているんだな」

 

そう思った

 

 

 

部屋の中で目を閉じていたわたしには

雨が見えていたわけではないし

肌で感じたわけでもない

 

それでも

聞こえてきた音は雨音だとすぐにわかった

 

 

 

 

 

音と記憶が結びついて

見ていなくても

なにも考えなくても

激しい雨だとわかる

 

そして同時に

雨だと外出がイヤだなとか

洗濯物が乾かないなとか

いろいろな感情が浮かんでくる

 

 

 

 

 

誰かの言葉を聴くとき

それはわたしの記憶と結びついて

いろいろな感情を連れてくる

 

 

誰かの言葉をわたしの記憶と結びつけて

わたしが意味づけをする

 

 

 

 

ザーザーという音を聞いて

激しい雨だと思い

イヤだなと感じるのと同じように

 

誰かの言葉を聴いて

わたしの感情が揺り動かされる

 

 

 

 

誰ひとりとして同じ経験はない

誰ひとりとして同じ記憶はない

 

ひとつの言葉に

どんな感情を抱くのか

どんな意味付けをしているのか

ひとりひとり違うはず

 

 

 

 

だからこそ

その人がどんな感情を抱き

どんな意味付けをしているのか

聴いていきたい

 

 

わたしの感情も意味づけも

ちょっと横に置いて…