無申告は重大犯罪だ
新聞記事によると、漫画「薬屋のひとりごと」の作画を担当している漫画家ねこクラゲこと池田恵理香(36)が脱税容疑で福岡地検に告発された、とのこと。
共同通信によると、所得約2億6000万円を申告せず、所得税約4700万円を脱税したとして、福岡国税局が2月29日付で所得税法違反の疑いとして福岡地検に告発したという。告発容疑は2019~21年で、脱税した金は不動産購入などに充てていたとしている。
ねこクラゲ氏は「2022年に税務署から本税、延滞税、無申告加算税を納めるよう、指示を受けた」と告白。現時点ではすでに全額を納付済みで、税理士に依頼の上で適正な申告・納税を続けていると明かした。
ねこクラゲ氏は「以前の私は税金に関して無知であったため確定申告を怠っていました」「私の無知不勉強が招いた結果は全て受け止めます」とし「今回このようなことになってしまい、申し訳ありません」と謝罪した。
Xでは犯罪者を擁護する声ばかり
X(旧ツイッター)では池田容疑者を擁護する声ばかりが並ぶが、おそらく「薬屋のひとりごと」ファンの連中だろう。
しかし脱税はれっきとした「犯罪」だ。
しかも「無申告」というのは以前にも書いたように「最も卑劣な犯罪行為」なのだ。
そんな犯罪者を擁護するなど言語道断!
検察に告発されたということは、通常の無申告ではなく最も重い行政罰である「無申告重加算税」が賦課されたということだろう。
出版業界から報酬を受け取っているなら、出版社から「支払調書」が税務署に提出されるから隠しようがないのだ。
税務署はそれでどこのだれにいくらの収入があるのか100%分かっている。
だから確定申告時期の前になると「確定申告のご案内」なる郵便物やらを送っている。
つまり池田氏は確定申告の義務があることを十分に承知していた、ということだ。
所得で2億6千万円ということは収入で3億円を優に超えているだろうから申告しなくてもいいとは絶対に思っていなかったはず。
支払調書制度があることを知らずに「黙っていればわからないだろう」と思っていたのなら救いようのないバカだ。
無申告は国賊のすること。
絶対に許せない!
国税局はよくやった。
今、世間を騒がせている自民党による裏金問題。
各地の県連からも告発が相次いでいるようだが、国税職員諸君には国税の目標である「課税の公平」を目指してこれらの税務調査にも積極的に着手してもらいたいと思っている。
OBとして国税を応援する
前の投稿で国税職員になるのはやめとけと言いながら、国税を応援するというと一見矛盾した考えのように見えるかもしれないが、覚悟をもって国税を志した者には大いに応援したいという意味であってそうした若者を私は尊敬している。
国税職員は確かに誰からも好かれない。
嫌われるのが仕事である。
それは事実。
しかし「脱税を許さず課税の公平を目指す」といった崇高な目的はある。
かつて私の先輩がこう言ったことがある。
「次に生まれ変わったら検察官になりたいな。もっと大きな悪と闘える。」
正義感の強い人にとっては巨悪と闘うことは人生の生きがいなのだろう。
それは自分にもよくわかる。
かつて脱税を摘発し、脱税額トップとして新聞記事に掲載されたときは嬉しかったし、なによりその脱税した納税者が、自ら所属していた納非団体を脱会し、まともな法人組織に生まれ変わってくれたことがそれ以上に嬉しかったことを覚えている。
つまり言いたいことは、確固たる信念を持って仕事に打ち込めるかどうかが重要だということ。
それは国税に限らず、どんな仕事であっても同じだと思う。
最初は信念を持って仕事を頑張っていたのに、こんなはずじゃなかったと思うこともあるだろう。
そんな時は一度立ち止まればいい。
転職も視野に入れながら、自分がどうしたいのかを「無から見つめ直す」ことでまた新たな目標が見えてきたりするものだ。
無から見つめ直す、とは頭を空っぽにすること。
あれこれ考えず、公園とか海辺とかでぼ~っと過ごすこと。
空を見上げるとかでもいい。
広くて何もないところをただぼんやり見ているだけで、心は落ち着いてくるもの。
自分の正直な気持ちがわかるまで、ただひたすらにぼーっとしていればそれでいい。
人生は一度切り。
自分のやりたいと思う道を進めばいい。
私は国税の職場に勤めてうつになってしまったけれども、悪を憎む気持ちは昔も今も全然変わってはいない。
自分の仕事に誇りを持っていたし、頑張って結果を出してきたことに悔いはない。
よく頑張ってきたよな、と自分で自分を褒めていますよ。
