いよいよ3月6日から15日まで、第10回大阪アジアン映画祭 が開催されます。
昨年は行けなかったけれど、一昨年には素晴らしい映画との出会いがあった同映画祭。
今年はなんとしても行くぞ~!
第8回のときの素晴らしい出会いの筆頭はヤン・ヤーチェ監督の台湾映画『GF*BF 女朋友、男朋友』でした。
これは私の台湾映画熱を一気に盛り上げ直してくれた作品で、昨年は台湾に再訪。現地で『KANO』を見ることができたり、映画だけでなく台湾そのものが大好きになる流れをつくってくれました。
で、今年も台湾映画が盛りだくさん。題して、
特集企画《台湾:電影ルネッサンス2015》
ってことで、出品コーナーは違うながらも、四作品がラインアップされています。
以下にリストしておきますね。
コードネームは孫中山
MEETING DR. SUN [行動代號:孫中山]
2014年|台湾
監督:イー・ツーイェン(易智言)
軍中楽園
PARADISE IN SERVICE [軍中樂園]
2014年|台湾
監督:ニウ・チェンザー(鈕承澤)
サシミ
SASHIMI [沙西米]
2015年|台湾
監督:パン・チーユエン(潘志遠)
逆転勝ち
SECOND CHANCE [逆轉勝]
2014年|台湾
監督:コン・ウェンイェン(孔玟燕)
これだけでもスゴイことですが、それだけじゃない!
小特集:エドワード・ヤンとその仲間たち
ってのがありまして、ラインナップは、以下の三つ。
光陰的故事
IN OUR TIME [光陰的故事]
1982年|台湾
監督:タオ・ドゥーツェン(陶得辰)、エドワード・ヤン(楊德昌)、クー・イーチェン(柯一正)、チャン・イー(張毅)
恐怖分子
TERRORIZERS [恐怖份子]
1986年|台湾・香港
監督:エドワード・ヤン(楊德昌)
光と陰の物語:台湾新電影
FLOWERS OF TAIPEI - TAIWAN NEW CINEMA [光陰的故事- 台灣新電影]
2014年|台湾
監督:シエ・チンリン(謝慶鈴)
最初の2作品は、エドワード・ヤンの有名な映画で、日本でも公開済み。
ただ、光陰的故事はDVDにはなっていないので、未見の人はこの機会に見た方がいいですね。
そして、恐怖分子のほうは、なんとこの春(3/14)から全国順次公開されるらしい。
映画『恐怖分子』サイトへリンク しておきます。
このなかで、私が見たいのは、まーなんと言っても一番下に白黒写真付きで引用した、日本初公開の『光と陰の物語:台湾新電影(原題:光陰的故事- 台灣新電影)』。
公式サイトの作品解説には、こうあります。
(作品解説)
1980年代、台湾映画界に新しい潮流をもたらし、世界の映画史にその名を刻んだ「台湾ニューシネマ」。その足跡と後世に与えた影響を、世界の名だたる映画人たちのインタビューを通して浮き彫りにする最新ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーの出演者は、
ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)、ジャ・ジャンク―(賈樟柯)、是枝裕和、アピチャッポン・ウィーラセタクン
おや、是枝監督が出ているのは、彼も台湾ニューシネマの影響を受けてらっしゃるのかしらね?
いやー、私も80年代の台湾ニューシネマはかなり意識して見るようにしていたのですが、いかんせん若かったこともあり、前知識なしに見るのは難しいというか、その映画史的意味が完全に理解できていたわけではなかったんですよね。
このドキュメンタリーのタイトルが、光と陰の物語(つまり中国語で「光陰的故事」)ってなっているのは、台湾ニューシネマの第一作とされるのが、エドワード・ヤンの「光陰的故事」だったからでしょうね。
私自身はもっぱらホウ・シャオシェンの映画ばかりを観ていました。理由は簡単で、香港映画ファンだったから、トニー・レオンが出ている『悲情城市』から入っていったってこと。
そして、台湾ニューシネマのブームがとっくに去ってからも、名前だけは映画祭関係でよく目にするので知っていたツアイ・ミンリャンの映画『楽日』を最近観ました。
こちらの理由は、巨匠キン・フーの映画『龍門客桟』が、えんえんと流される続ける映画館が舞台になっているという点から入っていった感じ。
正直、面白いかどうかと聞かれると、実はそうでもない。しかし、台湾映画の時代を作った人たちの映画は観なければ!って気もあるし、そして実際に観てみると、やはり次も観てみたいというか、ずっと気になる監督作品であり続けるという不思議な何かがあるんですよね。
最近になって再び台湾映画が元気になってきた今だからこそ、台湾映画が世界の映画祭で注目されるきっかけをつくり、そして日本に台湾映画がある程度は入ってくるきっかけを作ってくれた、台湾ニューシネマをもう一度勉強してみたい。
そんな気持ちで、この「光と陰の物語」を観てきたいという気がしています。
いや、もちろん新作もワクワクするラインナップですからね。
大阪アジアン映画祭2015のチケットは2/21に売り出されたばかりながら、すでに『逆転勝ち』は前売りが売り切れていた模様。
しかも最初から人気作になるのが予想されていたようで、公式サイトには前売り券は一人四枚まで、なんて書いてあります。この映画だけにですよ。
「逆転勝ち」の予告編を見ると、窪塚洋介主演の「PINGPONG -ピンポン-」のビリヤード版みたいで面白そうなんだな~。なんとか当日券で入れないかな~。
あ、もう一つ、個人的に絶対観ようと思っているのは、『軍中楽園』。
今年のアジアンは純粋な香港映画もいくつかきているから、私は嬉しいです。
ぜったい行くぞ~!