いよいよ6/7からシネマートさん他で『GF*BF』が上映されます。

私・龍虎のイチオシ台湾映画です。


この映画については、すでに昨年の大阪アジアン映画祭で観ていて、『GF*BF(女朋友、男朋友)』について という記事にアップしています。


で、再び記事にする理由は、つい先頃、女優・歯科医で一青窈さんのお姉さんでもある一青妙さんが、我らがアメブロに台湾映画~GF*BF(女朋友。男朋友)  なる記事をアップしてくれたから。


知っている人も多いと思うけれど、一青妙さんは(一青窈さんも)台湾人のお父さん、日本人のお母さんを持つ日台ハーフ。

お姉さんは11歳まで台湾に暮らしたということもあって、自らのルーツである台湾のことを勉強するために台湾映画を観まくったという、私ら映画マニアも見習うべき存在なんだよね。


で、私が一青妙さんを尊敬するきっかけになった本がこちら。


『新編 台湾映画~社会の変貌を告げる(台湾ニューシネマからの)30年』晃洋書房刊。



   画像はamazonより拝借



編者は、小山 三郎、牧野 格子、山下 未奈、 井上 欣儒さんらですが、一青妙さんは帯にも一文を寄せていて、かつこの本のなかに自ら、「台湾映画と顔家」という論文を書いているのです。

これが、自分のルーツを辿る映画鑑賞個人史になっているというわけ。


これを読んだあとに、ああこの方は私と同じように、映画で歴史を学んでらっしゃる、と親近感がわいたんですよね。


でも、それだけじゃない。

彼女は、この論文のタイトルにある顔家の血を引いているわけですが、この顔家こそ台湾史(映画史だけでなく産業史的にも)を語る上で避けられない重要人物。


顔家を説明するのに一番わかりやすいのがホウ・シャオシェンの映画『悲情城市』。


妹の一青窈さんの方のwikipediaをめくってみると、彼女の父が「九份の金鉱経営で成功し、台湾の5大財閥に数えられた顔一族の長男・顔恵民であった」とあります。

もちろん、お姉さんである妙さんの父も同じわけです。


はい、九份と言えば、映画・悲情城市の舞台ですよね。

当然、顔家もあの映画のモデルの一部になっています。


そんなことからもわかるように、一青妙さんは、父の故郷である九份が舞台になったホウ・シャオシェンの映画から自らのルーツを辿り、それ以外の台湾映画からも自身のルーツの糸口を見つけようとしてきたそうです。


そんな一青妙さんだからこそ書ける文章が、この『新編 台湾映画』に収録されていたわけですよ。

それを読んで、私は一青妙さんのことが俄然気になってしまったわけです。


というわけで、一青妙さんのブログ(こちらと同じアメブロ)も購読していたわけですが、つい先頃、私の好きな映画GF*BFについて書いてくださったわけです。


当然、気になりますよね。

台湾映画を通じて台湾を知ろうとしてきた方が、この映画を観てどう思ったか。


ブログ自体はリンク を張っておいたので、ご興味ある方は読んで下さいな。


ただし、ほぼネタバレしていますので、新鮮な気持ちで映画を観たい方は要注意。

妙さんはこの映画を二度観て、一度目はそう感動しなかったけれど、二度目は「とっても深い良い作品」だと感じたそうです。


おそらく、それには昨今の台湾で話題になった学生らが台湾の立法院を占拠した学生運動「ひまわり学運」と、この映画が一時の舞台とした戒厳令下の台湾の学生運動とがリンクするということもあるんだと思う。

妙さんもそんなようなことを示しています。


「特に3、40代の方にこの作品をおススメしたい」と記した妙さんの記事には、私も同感。


日本の3、40代の学生時代に、台湾の学生たちはどんな青春を送ったのか、民主化への希求とはどんなようなものだったのか、この映画を通じて知って欲しい。


私は台湾で暮らしたことはないけれど、台湾愛はかなり強い。そして、一青妙・一青窈さん姉妹のように自らのルーツがあるわけではないけれど、香港映画や台湾映画で育った(映画マニアを自任しているけれど、その鑑賞歴の9割は中華圏の映画である)私には、自分の一つの根っこが華人が作る映画にあることは認めざるを得ないわけ。


そんなわけで、このたびの一青妙さんのブログ記事は興味深く読みました。

人のブログを紹介するというのは、本ブログの趣旨ではないのですが、なんとなく感慨深かったのでつい書き込んでしまいました。


ともかく6/7からシネマートで始まる『GF*BF』はこれから遅れて地方でも公開されていきますが、オススメなんですよ。私だけでなく一青妙さんもすすめているということを知っていただきたかった。


私も地方公開を待って、もう一度観るぞ~!