始まりました!


ボリウッド4

ザッツ★★★★★エンターテインドメント

最高の4作が、いま集結


っていうコピーで全国ではじまっているインド祭り。

公式サイト にリンクしときます)


いやぁ、嬉しいね。

今年はインド映画の当たり年。

ラジニカーント映画以外のインド話題作が一挙に公開される年ですよ。


そのなかで、日活が配給してくれるこの4作。

公開の順番は地方ごとに違うみたいで、私が住んでいるところでは、まず『タイガー 伝説のスパイ』から公開。



ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
【英題】EK THA TIGER
【監督】カビール・カーン
【キャスト】サルマーン・カーン、 カトリーナ・カイフ
(2012年/インド/132分)


いやぁ、濃かった。


この映画を見終わってからの最大の感慨は、


もうハリウッド映画なんか要らないジャン!!


ってもの。


だって、アクションもラブロマンスも踊りもセクシーも、みんなインド映画のなかにあるんだもの。

そんでもって、インド人はみんな彫りが深くて(これについては後述)、バタ臭い顔。だから、観てる間はハリウッド映画を眺めてる気になる。違いと要ったら、金髪が出てこないとこくらい(ちと、強引か)。


でも、映画のなかにはアジアならではの独特の文化(宗教とか)の香りもする。

マンネリ気味のハリウッドに比べて、楽しみ方もいっぱいあるし、実際に観てる間も楽しいわけよ。


ちなみに上のチラシに、「インド映画歴代二位」って書いてあるけれど、じゃあ一位は何よ?っていうと、実はこのボリウッド4でのラインナップの一つである『きっと、うまくいく』なんだって。


つまりさ、全部観るしかないってことだわ。

私、頑張る。なんせ地元で観られるんだもんね。


ボリウッドってのは、ボンベイ(インド名ムンバイ)のハリウッドというところから来ています。


でもね、ラジニカーントで有名なタミル語で作られた映画は、実はタミル語を話す地域の中心地であるマドラス(インド名チェンナイ)制作なので、本来の意味ではボリウッド映画ではないんだよね。


インド映画には大きく、タミル語映画とヒンディー語映画とがあって、それが南北の勢力図を分けています。


それを日本では混同しちゃってラジニカーント『ムトゥ 踊るマハラジャ』のような代表的なタミル語映画をボリウッドと紹介している場合があるけれど、厳密には違います。


彫りの深い顔の人がたくさん出る映画がボリウッド。

本作の主演サルマーン・カーンというマッチョおじさんも、顔はほとんどシルベスター・スタローン。

しかも、サルマーンは『ランボー』を観てからマッチョにあこがれたって言うじゃない。

どうりで雰囲気が似ちゃうわけだ。たれ目なところもスタローン系のバター顔だね。


そして、どちらかというとあっさりした顔の人が出るのがタミル語映画。

ラジニはこっちの人なので、浅黒くて、あまりお鼻が高くない系統の顔です。


私もインドに滞在したことがあるのですが、北は彫りが深い欧米顔で、南は東洋系の顔ってのは、住んでみれば感じますよ。


けれど、最近はそんな気むずかしいことを考える必要もなくなってきました。


このブログでも紹介した『ロボット』はラジニカーント主演ですが、監督はかつて『ジーンズ』というボリウッド大作(日本でもヒット)を監督したボリウッド映画の人。そして、ヒロインのアイシュワリヤー・ラーイもそのジーンズで主演してたからボリウッド女優なのよ。


ロボットのチラシ再掲

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
日本ではあまりラジニをアピールしていない


懐かしいジーンズのチラシ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ナンチャンのおふざけ映画と同時上映だった


ロボットにはタミル語版はもちろんあるんだけれど、世界配給用に英語バージョンが作られていて、日本でもそっちが公開されたし、もともとのセリフのなかに現代映画らしく英語が相当混入しているから、南北の差なんて、最近はあんまり気にならなくなっちゃってるんだよね。


そして、今回のタイガーですよ。

これはもう、インド国内でのロケがほとんどありません。ほとんど海外ロケ。


オープニングから前半しばらくはアイルランド。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


中盤はトルコ。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


そしてクライマックスはキューバ。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


スゴイ!

世界各国でカーチェイスだの、街中でガンアクションなんてやっちゃってる。

カネはかかってるし、こんな危険な映画がロケを許可されるくらいだから、各国のフィルムコミッションも、インド映画の観客がどれだけ多くて、それが観光に繋がるかということをちゃんとわかってるんだね!


ストーリーについてですが、副題にもある伝説のスパイってのが全てを物語っています。

簡単に言えば、インド版ジェームズ・ボンド。


ただし、ボンド・ガールは敵国(パキスタン)のスパイで、二人は恋に落ちてしまい、インドとパキスタン両国から逃れて、逃避行をするというもの。


この逃避行のスケールがデカイ。

二人の愛のために、キューバを皮切りにいろんな国の警官を巻き込んで、逃げ切るためには、破壊の限りを尽くす。いやぁ、迷惑な愛です(笑)。それが面白いんだけれどね。

まぁ冷静に考えると、迷惑なことですわ。それでも、そんな迷惑をかけたからにはってオチもついていて、ちゃんと納得できるエンディングになっているところは上手いな、と思いました。


さぁて、こんな大作から始まったボリウッド4作の一挙公開。

どうなることか。


このあと、


『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


『命ある限り』

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


『きっと、うまくいく』

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

と続きます!