やっと『超能力者』を観てきました。
え? 遅い?
すいませんね。地方在住なので。東京に出張したときに上映していたんですけど、時間が合わなかったんですよねぇ。
私はどうもカン・ドンウォンに惹かれるようで、彼の主演作はよく観ています。
今回はコ・スとのダブル主演というより、実はコ・スが主演で、カン君は悪役の扱い。
けれども、ものすごい存在感だし、日本での知名度から考えても、カン君の名前が上に来るんだろうね。
こちらが日本版ポスター。
韓国ポスターの別バージョン。
さて、私・龍虎は韓国映画はキライではないのだけれど、基本的にスプラッター要素がある映画は苦手なのです。ご存じのように、韓国映画のアクション作品は、残酷描写が容赦ないくらい血みどろなので、ここのところ敬遠していました。
例えば、敬遠していたけれど、主演のイ・ビョンホンもチェ・ミンシクも好きだったのでつい観てしまった映画に『悪魔を見た』があります。
『悪魔を見た』ポスター。
これなどは、タイトルからして残酷描写があることがわかっていながら、見ちゃった後に一週間は気分が悪かった。
いえ、つまらなかったとかではないのですよ。むしろ面白かった。でも、最初から最後まで残酷シーンは勘弁してほしいのです。
私はスプラッターよりも、ミステリ作品が好きで、その残酷描写に必然性が欲しいタイプ。
犯人が残酷なんだから仕方ないじゃん、的な映画であっても、それ以外のストーリーや謎解き要素、そしてその悪役が悪役になった物語背景に魅力を感じるので、上記の作品のように、まさに「悪魔」ですので、残酷なんです、というのはちょい苦手だ。
でも、繰り返しますが、『悪魔を見た』は面白い映画ですよ。でも、イ・ビョンホンが好きという理由だけで、映画を観に来ていた韓流おばさまの何人かは、鑑賞後に気持ち悪くなっていたようでした。気を付けよう。
話を『超能力者』に戻します。
カン・ドンウォンのファンとして、予告を見たときから、かなり気になっていたこの映画。
超能力者で悪役はカン君のほう(ポスター見たら分かりますね)なのですが、超能力は目で人を操る能力があるという設定。対するコ・スはその超能力がただ一人通じないことから、運命の対決に引きずり込まれる役というわけですな。
「宿命の対決もの」とでも名付けたいジャンルです。
目に特長があり、瞳の演技に魅力が凝縮されているとさえ言えるカン君には、ほんと最適の役でした。
公式サイトよりカン君。
私の友人に、自称「目に色気のある人が好き」とのたまう女子がいるのですが、彼女はカン君を見て何と言うか、今度聞いてみたい。
ちなみに、上の写真は、劇中では比較的優しい顔をしている場面からのショットです。カン君は終始、眼力を使いっぱなしで、それはそれは恐ーい悪の超能力者を演じていました。
上の二枚のポスターとこのショットを比べて欲しいのですが、劇中でこうした目の表情を演じ分けているカン君はとても魅力的です。
また、彼が演じる殺人も厭わない超能力者が、なぜ悪になり、そして残酷になっていったかの必然性がきちんと描かれていたので、この映画にも残酷描写は結構多いのですが、私もなんとか気持ち悪くならずに帰れました~。
しかしながら、映画を見ていると、役への入り込み方がスゴイのか、そのうち本当にカン君が犯罪者に見えてきます。カン君のファンであっても、コ・スよ、どうか頑張ってあいつをやっつけろ!ってなっちゃいます。
それくらいスゴイ。
こんなことを言っては何だけど、カン君って狂気を秘めている顔をしているじゃないですか。
次に、公式サイトより本当の主役であるコ・ス君。
カン君とは対照的に目元の優しい青年を演じていました。純粋に正義感にあふれた普段はちょっと抜けているけど、本気になると火事場の馬鹿力を発揮するという難しい役どころを、とてもうまく演じていましたね。
総評です。
これは今の韓国映画全体がそうなのだと思うけれど、緊迫感を出すために、やや残虐描写に頼っている面はありますね。この映画については、私が思ったよりもそうした描写が多かったです。年齢での入場制限がなかったのは少々不思議なくらい。
もうちょっと、超能力合戦みたいにして、スプラッター色を薄めて、SF色を高めても良かったような気がしますね。
とはいえ、カン君の壮絶な瞳の表情を堪能するには最高の映画ですよ。