私の人生において、欠かせない大型家具、、、それはピアノである。
5歳から習い始めたピアノは、練習こそ嫌いであんまり上達しなかったが、なぜかピアノを手放したり辞める事が出来ず、私の人生において生活の中の一部の大事なパートを占める部分となっていた。
大学進学で上京して数年はピアノが家に無かった。やがて就職し、しっかり自分で収入を得られるようになって、思い切って買ったクラビノーバはすっかり私の友となり、時間さえあればワイン片手に、夜中じゅう弾いたり・・・なんてことがあった。
ピアノを弾いていると、PCに向かって考えているのと違って、何にも考えなくて良い、、というか自分の思うままに
感情をぶつけられる、つまりは何でも打ち明けられる友だし、なんてったって、裏切らない同士ってとこかしら。
ところが、ご存知のとおり、アメリカに引っ越してくる事になりどの引越し業者に問い合わせても「破損する可能性大」との答えだったので泣く泣く手放す事にした。
粗大ゴミ、というのももったいなさ過ぎるので、友人に安く売ることにした。
オークション、と言う手もあったけど、大事にしてきた楽器を見ず知らずの人に譲る、というのはそれも辛い、と思ったからだ。大事に扱ってくれる人にこのピアノは譲りたい、、と思い元同僚のKさんに譲った。
Kさんは娘さんがいるから、丁度良かったな、って思いながら車を見送ったが、やっぱりピアノの無くなった東京の部屋のそのスペースは寂しかった。
アメリカに来てからは毎日子育てや家族の世話ですっかり慌しくて音楽をゆっくり聴く時間なんて無かった。
ある日、ベイスメントに置いてある私のオーディオでクラシックCDを掛けた。そばにはアンドリュー。
すると、アンドリューが音楽に反応した、「あ、知ってる」って顔をしたのだ。
赤ちゃんの耳は、妊娠した早めの段階から形成されて聞こえてる、とはいえ、これは凄いと思った。
車を持ち、車の中でクラシックを掛け、聴く機会が増えてまたピアノが弾きたいと思うようになった。
ラッキーが重なり、偶然にも半額以下でピアノを手にする日がやってきた。
そのピアノは今週土曜日に我が家にやってくる!
アンドリューにも是非好きになってもらいたい。