あの子は妊娠したんだと思う。
だからあんなに自信満々だったんだと思う。
妊娠が発覚したのは5月に入ってからだろう。
あの子は母になる事を夢見たのだろう。
今回はあきらめてくれ
夫はそういったのだろう。
あの子は中絶をするにあたって
離婚・・・せめて別居を条件にしたのだろう。
アパートの契約は5月25日
あの子が中絶したであろう日は6月10日
皮肉にも私たちの結婚記念日。
アパートの契約の日
戸籍謄本を取り寄せた日
帰宅しなくなった頃
夫がパチンコに走った頃
すべてのつじつまがあってくる。
「騙された」というあの子の言葉も
「あの子は俺があの子を選ぶと思っていたと思う」
という夫の言葉も。
あの子に出来て
私に出来ない事は
夫の子を産むこと。
私は夫と夫の子どもを引き離したとあの子に責められた。
あの子はいつか夫の子を産める
だから
奥さんは彼を幸せに出来ない
と、言い放ったのだろう。