ずいぶん久しぶりの更新となってしまいました。
昨日、第3回市議会定例会が終了しました。色々と市議会での事柄についてもご報告したい事があるのですが、今回は国会で議論となっている「地方創生」について、地方議員の立場から見てみたいと思います。
まず、安倍政権が発足してから、地方が一貫して求めてきた、地方への権限委譲(地方分権)と財源委譲は、ストップしていると思います。
民主党政権では、ひも付き補助金を廃止し、地方が自由に活用できる財源として一括交付金制度を創設し、事実上の地方への財源と権限の委譲を進めてきました。その他にも、国の出先機関(天下りの温床もなっていたと言われる)の廃止に向けたアクションプランの実施や、地方交付税の増額、法律に基づく国と地方の協議の場の設置などを実現し、地方分権を通じた地方創生に取り組んできました。
一方、安倍政権発足と同時に一括交付金制度は即刻廃止され、地方交付税は大幅に減額されました。この他、アベノミクスの急激な円安誘導による、燃料、食料をはじめとした急激な物価上昇により、円安の恩恵を受けない地方と都市部の格差は拡大しました。
冒頭述べた通り、安倍政権になってから地方は活気づく所ではなく、むしろ一段と厳しい状況におかれています。また、八王子市においても、平成25年度の決算の数字をみても、個人所得へのアベノミクスの恩恵は出ていない事は明らかです。
約2年にわたり、地方を疲弊させてきた安倍政権にとって、今までの政権運営の総括なしに、唐突に「地方創生」と言われても全く説得力がありません。しかしながら、地方に身を置く者として、一縷の望みをもって今国会に提出される、「まち、ひと、しごと創生法案」の内容を密かに注視していましたが、その内容の無さに正直落胆してしてしまいました。今回の「地方創生」は安保政策(集団的自衛権等)やアベノミクスでの格差拡大による支持率低下をさけるための隠れ蓑であり、来年の統一地方選対策だと思います。総理は綺麗な言葉や威勢の良い言葉で地方創生の意義を語っていますが、杓子定規で全く本気度が伝わってきません。
石破担当大臣は、つらい立場だと思います。地方創生に妙案が浮かばないようで、安倍政権発足と同時に廃止した、一括交付金を復活させようという考えもあるそうです。良いものは良いと認める事は大事ですが、場当たり的な対処ではなく、しっかりとした総括の上で実施してもらいたいと思います。

地方の要求はシンプルで、一層の権限委譲、一層の財源委譲です。安倍政権は地方創生を唱えながら、一層の国の関与の強化が透けて見えます。国が地方の要求に正面から応える事こそ、誰もが認める「自立した地域が自ら考え、解決する」、地方創生に向けた環境づくりに寄与するのだと思います。