今回は、前回に引き続き、岩手県遠野市におけるボランティア活動の報告しようと思います。

私の担当した具体的な業務は、「さんま拾い」です。遠野市から車で一時間ほどの所に、陸前高田市があります。陸前高田市は、今回の津波で非常に甚大な被害を受けた地域の一つで、住宅はもちろん、沿岸部にあった水産加工場等の商工業地も大きな被害を受けました。その中の水産加工場に冷凍保存されていた、さんまやしゃけ、いくらなどの加工品が、津波で流され、街のいたるところに散らばり、最近の気温上昇の影響もあいまって、腐敗し強い悪臭を放っており、近隣住民の方々に悪影響を与えていました。そこで、そのさんまをはじめとした腐敗物を除去する作業が、私たちの担当した作業でした。

現地では、話に聞いていた通り、強い腐敗臭が蔓延しており、住民の方々のストレスは想像を絶するものだと思いました。

「さんま拾い」とはいえ、少なからず危険を伴う作業です。まず、現地にはがれきが多く散乱しているので、釘などの踏みぬき事故が多発しています。踏みぬき防止のソールを装着することはもちろん、作業にも細心の注意を払う必要があります。もしそういった事故に遭った場合、破傷風などの深刻な症状を引き起こす可能性が高いです。また、沿岸部の為強風が吹く事が多く、その為がれきが飛んでくる事もあります。けが防止のため、ヘルメットやゴーグルなどの装備も必須です。けがをすると、個人の問題だけでなく、ボランティア活動全てに影響を及ぼします。多発するようであれば、個人ボランティア活動そのものが今後継続できなくなる可能性もあるのです。

ボランティア参加にあたり、しっかりとした心構えと、きちんとした装備が必要です。

宿泊所は、遠野市のご厚意で「遠野市総合福祉センター」を解放して頂いておりました。


安藤おさみのブログ-ボランティア本部
↑遠野市総合福祉センター

その体育館に寝袋等を持参して、宿泊することになります。

個人ボランティア参加にあたり、心構えとしてまず重要なことは「自己完結」だと思います。「これは現地で手に入るだろう」「これは借りられるだろう」等と言った気持ちで参加すると、必ず迷惑がかかります。私たちは、寝袋、食料、生活用品、全て東京で用意したうえで、現地に行きました。幸い、遠野市や、釜石市でも津波の影響を受けていない地域では、飲食店や雑貨店も営業を再開しており、食料などは現地でも調達できましたが、「自分の身は自分で守る」事を実践することが、まず被災地ボランティア参加にあたり必要な事だと思います。

安藤おさみのブログ-宿泊所
↑体育館の様子