昆明の人たちは米线がとても好きで、

朝から米线を食べる人も多いです。

米线とは米粉で作った麵で、細めの麵と太めの麵があります。

太めの麵のほうは白米を発酵させた後につぶして作るのだそうです。

でも、私には味の違いがわかりません。

 

同じ米粉で作った麵·でも、

丸い麵は「米线」、平たい麵は「卷粉」と呼ばれます。

 

日本で米粉を使った麺類がないのは、

日本のお米が麵を作るのに適していないからかもしれません。

雲南のご飯を食べると、なんだかぱさぱさしているように感じます。

この粘らない米が、麺類を作る米粉に適しているということです。

 

これは、豆花米线。細い麵です。

上にのっているのは大豆をカリカリに煎ったもの。

 

 

これは太い麵のほう。

牛肉米线。上の緑の葉っぱはミントです。

 

 

 

昆明では、过桥米线の看板をよく目にします。

 

 

过桥米线」には、物語があるようです。

今から200年前の、清朝の頃のこと。

中国には隋の時代から清代まで1300年も続いた

「科挙」という官吏登用試験がありました。

この試験は本当に難しい厳しい試験ですが、

科挙に合格できれば、官僚としての地位、名声、富が約束されるのです。

 

その科挙に挑むために勉強している夫を支えた妻の物語。

夫は橋神橋の向こうの、湖湖の中に浮かぶ小島にこもって勉学に励んでいました。

妻はこの夫に食事を運ぶのですが、遠いのでどうしても冷めてしまう。

そこで、その妻が考え出したのがこれです。

鶏を煮込んだスープは脂をたくさん含んでいるので表面に油膜を張り

中の具だくさんでおいしい米線を冷めにくくするのです。

「橋神橋を渡って運んだ米線」ということで「过桥米线」と呼ばれるようになりました。

 

雲南の名物料理で、街では「过桥米线」のちょっと豪華な看板をよく見ます。

学生たちに、普通の「米线」と「过桥米线」はどう違うのか聞いてみたら

过桥米线」のほうが具がたくさん入ってる」と言っていました。

これはきっと、学生食堂での違いでしょう。

 

お店で食べる「过桥米线」は、スープの他にたくさんの小皿に乗った料理や薬味と

別に盛った米线が出てきます。

ただ、持ってきてすぐに熱いスープの入ったお鍋に入れてしまうので、

学食と同じことかも知れません。

 

もとは、こんなにきれいなんですけれど。

 

 

雲南には、米粉を使ったものが他にもあります。

饵块」は、朝食によく食べられ、餅米でできています。

饵块(焼き饵块

 

この中身

 

 

細く切ったものが「饵丝」です。

これは杂酱饵丝

 

私は「饵丝」より「米线」のほうがさらっとして好きです。

もちもちしたのが好きな人は饵丝が好きなようです。

 

 

これは、三種類の麵が入っています。

渔粉は雲南省ではなく、湖南省衡阳地方の麵だそうです。

この頃、五谷粉というチェーン店が増えて、人気のようです。

大米粉(米粉)、玉米粉(とうもろこし粉)、荞麦粉(そば粉)の三種。

 

 

小麦粉を使ったものもたくさんありますが

これは清抄手。この辺りでは抄手と呼びますが

馄饨のようです。

 

 

 

田保先生から「うんなん」という研究誌の第六号をいただいたら

村上めぐみさんの「米线」研究が載っていました。

米线」も奥が深いよ!