王者バイエルンはなぜ敗れたのか?|中野栄煥
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ペップ・バイエルンの欧州での戦いは、ひとまず終わりを迎えることとなった。

 2014年4月29日、欧州チャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ、バイエルン・ミュンヘンはホームにレアル・マドリーを迎え撃った。サンチャゴ・ベルナベウでのアウェイでは0-1の敗戦を喫していたバイエルンは、決勝進出のためには少なくとも2ゴールを奪う必要があった。

 バイエルンの先発は、GKノイアー、右SBラーム、CBにボアテングとダンテ、左SBアラバのDF陣に、シュバインシュタイガーとクロースのダブルボランチ、ロッベン、ミュラー、リベリーの2列目、そしてマンジュキッチのワントップである。

 対するマドリーは、GKカシージャス、右SBカルバハル、CBにペペとセルヒオ・ラモス、左SBコエントラオンのディフェンスライン、中盤にモドリッチ、シャビ・アロンソ、ディ・マリア、そしてベイル、ベンゼマ、ロナウドの3トップと、ベストメンバーでミュンヘンの地での試合に臨んだ。

 1点ビハインドという状況もあってか、前半のバイエルンはどこか攻め急いでいた。ボールを持つや、とにかくサイドのロッベン、リベリーへと繋ごうとする。クロースを軸にして左右にパスを供給しながら、中央のミュラーを経由して、ロッベン、リベリーへ。

 しかし、マドリーのディフェンスを崩し切ることはできない。焦りの様なものすら感じさせたバイエルンからは、流動性、そしてパス・マシーンとしての姿は失われていた。

 そしてマドリーのカウンターの脅威にさらされる。14分、ロナウドが左サイドのディ・マリアへと繋ぎ、ディ・マリアは中央に走り込んだベンゼマへとボールを送る。ダンテがかろうじてクリアしたものの、相手にCKを与える格好となった。