高校生 から、既に、
ミーモは、看護師 と 学生 だった。
なので、わたしよりも早く、
社会 の中に居た事で、
休みに、田舎に帰省し、わたしの家に遊びに来てくれた際、
わたしの母が 仕事から帰って来ると、
気さくながら、大人な振る舞いで、
「お邪魔してます〜」
と、母に 礼儀正しい 面を見せるようになった。
わたしには 、まだ、それが出来ず、
それどころか、
まだ、一人称が、「わたし」とすら言えなかったし、
吃りもあった。

なので、ミーモ が 帰った後、
わたしの母は、
「ほら、ミーモ(本名)ちゃんは、ちゃんと 挨拶も出来て、杏ちゃんもしっかりしなさい」
と 言うのだった。

わたしも ナントカ、高校を卒業する事が出来、
もう、入学は特待生枠で 決まっていた
(高校を卒業出来たら、だったが)
デザインの専門学校 へ 進学、
神戸で 一人暮らしが始まった。
わたしは、ホームシックにもならず、
わたしはこれから、
ここに根を張り、生きて行ける
と、
単純に思っていた。

しかし、上手くいかず、
成人式には、もう、学校を中退していた。

アルバイトを掛け持ち、
なんやかんやで絵を描いて暮らしていた
ある日の晩、
ミーモから、また、突然の着信が来た。
そして、今度は、こんな事を言い出した
「今よ、職場でよ、昔遊んだ 遊びの話を同い年ぐらいの人らと するがやけどよ、
あたしが杏ちゃんと遊んだ 話しても、誰もそんな遊び知らん って言われてよ、
でもよ、あたし、そん時の事思い出したら、すんっごい 楽しくて、
あの、楽しさって何やったんやろう って思うがやけどよ、もう、なんか、めっちゃくちゃ楽しかったって思うて、あの楽しさって、説明出来んけど、ものすごい思い出すだけで 楽しかったんよね、、、。ねぇ、あたし、ピーターパン症候群かなぁ?」
と、
真剣な口調で 話すミーモの話に
その話している表情が見えるようで、
わたしは 吹き出して笑った。

ピーターパン症候群 って何だよ、
と、思いつつも、
「大丈夫、また 会えば あの時と変わらんよ。」
と、わたしは応えた。

それから、年に一度は、
ミーモは、わざわざ高知から
時には 友人を連れ、
時には 幼馴染を連れ、
また、一人でも わたしに会いに神戸にやって来てくれた。

そして、どこか、
大人の仮面のようなものが お互い照れ臭く
「何〜?」
「何よー」
「ちょっと待って、」
と、何を話すでもない段階から
笑い始める。

ミーモの言っていた、ピーターパン症候群
というのは、
そういう、言葉を持たない頃からの 波長の砂鉄
から 始まっていた
ドーパミン とか なのだろう。

だから、言葉に出来ない。
照れ臭さも、すぐに消え、
うだうだ 昔話や、最近の話を話す。
ミーモ が 言う、
「あの頃の杏ちゃんのカリスマ性」
や、
小さな 日々のなんでもない 思い出、
鉄板の思い出、
そして、街を歩けば、
「ねぇ、どこ行ってるんやっけ?」
「え、知らん」
と言って、立ち止まって爆笑、
笑って腰が砕けて歩けなくなって、爆笑、
色んな事があったのに、
ちゃんと、今 リアルタイムの ミーモとわたしは
自然にドーパミン を 引き出しあっている。

人混みで、
「え! ここどこ?!」
と、はぐれないように
服の端を掴んで立ち止まると、
その行為に、連鎖して全ての記憶から辻褄が合い、
笑うしかない。

もう、数年前から、
ミーモは、完全にドーパミン目的で
わたしを見に来ているとすら
感じる。
目的も無く、こんな時間の使い方しててええのかよ、
と、思う程、何かをしてはいない。

小学生の頃、ミーモのお家で
二人で タイムカプセルを作り、
埋めたのだが、
そこは ミーモのお祖母様の畑だったため
数日後に、
耕されて 紛失した事や、
新聞、ラジオ、終いには
黒いゴミ袋に、落ち葉を貼り付けて、
白いペンで、
「自然命」
と 書いた 謎の衣装を わたしと ミーモ と、わたしの妹も巻き込んで
3人で、ラジカセ持って、
近所の 人の良い、幼馴染の家へ押しかけ、
変な創作ダンス を見せるだけ
という、
「自然命隊」と 称す、ダンスユニット?
みたいな事をしていたり、
お互いにお互いを笑かしたいだけで 自分達でも
攻めきってわけわからんなっとるやん
という、伝わりづらいエピソードは無数にある。

クリエイティヴィディーも、かなりカオスなところまで
遊んできたからだろう、
何故 その身動き1つ にしても、
経緯が見えてしまうのだ。

更には、
おそらく、第三者を 間に咬ます事による
オモシロさを 近年、
ミーモ は、見つけてしまっているのではないか
と、感ずる。。

数年前、幼馴染を連れて来てくれた時、
神戸の港で、船に乗って、
西陽の沈んで行く 景色の中、
ミーモ と わたしが たまたま 二人で
神戸の山並みを観ている時、
わたしが、
「こうやって 陽の当たってるところと影ってるところ観るとよ、この世界って 改めて平等ってもんは無いんやなぁ、、って思うよね〜、、」
と、当たり前のことを
ボソッと漏らすと、視界の端のミーモが
わかりやすく
「ハッ!」
とするのが わかる。

わたしは、それを感じておかしくてたまらない。

わたしが ブルマー の事で ミーモに
ハッ! と させられた お返しだ。

帰りのバスを 見送る時は
笑った分だけ涙が出そうになる。

そして、ひとしきり、見えなくなってすぐに
「やっぱり 杏ちゃんはオモロい」
と、
メール や LINEが来る。
あーあー。


3〜2 年前のお正月、
わたしが最後に実家に帰省した時、
ミーモ の運転する 車で、
わたしの実家の前まで送ってくれた。
そして
日も暮れて真っ暗な車中、
ミーモが、また、突然 真剣な声なのか、
空気なのか、気配というか、
どれが先というのか、
わたしと違い、怒りや苛立ちを 空気でめっちゃ恐くするミーモが
話し出した
「杏ちゃんに 会わせたい人が居る、ううん、いぃや、絶対会ってもらう。」
と。
わたしは、今度は何を言い出すのか身構えながらも、
「えぇ〜?待って 待って、何 何、こわいこわい」
と ふざけて誤魔化そうとしても、
その時は、ミーモ の 空気は変わらず、
「結婚 を、考えてる人が 居る。」
と、言い、わたしはよくわからない 鳥肌と涙が出そうになったが、
次のミーモの言葉で その感極まり は
治った。
「その人には、杏ちゃんのこと、話してあるけん。杏ちゃんにだけは絶対 会わす。
時代の最先端イってる人って話してある。」
と、ど真面目に 言ったからだった。

時代の最先端イってる人って 話してある だと?

わたしは、なんじゃいそれ!
思いながらも、
そういう 文化に 先ず不適切に違いないわたしは、
「えぇ〜、そんな、どんなツラ下げて 会えばええの? ミーモ(本名)ちゃん が 変に疑われるんじゃねぇの?」
と、笑いながら言ったが、
「いや、会ってもらう」
と、言い切る ミーモ に押され、
会うことを 約束したのだった。

どうして、わたしを会わせたいのか
わからない、
そして、紹介されているフレーズが、
荷が重い。

そんなこんなで、その春、
ミーモ は、フィアンセと、神戸へ来てくれたのだった。

わたしは、やっぱり、終始、
なんで わたしが、、
感じながらも、3人で話をした。

この社会に、天使 とか、神様とか、愛の意味を教えてくれる 存在があるとしたら、
ミーモ や、ミーモ の 周りにいる方々 だと思う時が、幼い頃から
わたしは感じていた。

言葉にすると、大げさで、厭らしいけど、
わたしには、大き過ぎる、愛の意味を 知っているのだろう存在。


わたしは、結婚式で、スピーチまで頼まれた。

そんな神聖な場所に、
わたしのような 奇妙な人間を放り込むなんて、
地獄のような思いを既に察している。

ちゃんとせねば、と、
スピーチの原稿をググって、
書いて、まとめていたが、
いつから始まり、エピソードはピックアップされるような
幾つかに切り離せるものではない。
そして、わたしは極度のあがり症で、人前で話すなんていう状況は、
ちょっと 死ぬかも、と思うほど息ができなくなる。
喋るのも遅いし、ボイスメモで自分でもわかるが、何言ってるか殆どわからない。

いっぱい色々模索したあげく、
ここに 記載して、
取り敢えず、どうにもならなかった場合は、
ボイスメモを流し、口パクという手段も用意した。

チキショー 、ぜってえ、この仕返しは
やってやる!!
と、考えて、この日記 をここまで綴ってやったぜ!

これからまた、どんな 突拍子も無い言動で、
わたしは ミーモ から、
愛の意味 を見せられるのだろうか。
と、
重荷を背負わせ返す。

わたしの妹が、
「杏ちゃんと ミーモ(本名)ちゃん って、ちびまる子の まるちゃん と たまちゃんみたいよね」
と、
数年前、わたしに言ったので、
わたしが、
「どっちが たまちゃん やねん」
と、一応訊くと
「ミーモ(本名)ちゃん に 決まってるやん」
と、言ったので、
わたしは 「チッ」と、舌打ちをした。

ミーモに、妹が言ったことを 話すと、
わたし同様、
「どっちが たまちゃん?」
と、訊き返してきやがった。

“ チッ ”。

でも、まぁ、ちびまる子ちゃん 13巻 を、ミーモ と、何度も同じページ で 笑い転げていたし、
ちびまる子ちゃんは、好きだからいっか。

とりあえず、ここまで。

太陽は、雨の日も 曇りの日も、
晴れの日と 同じように 照らしてるね。





aune
2019.04.28