● 鍛錬の方法と組手の課題
今回は久しぶりに空手の備忘録です。
記事にするのは久しぶりですが、空手の稽古としてはそれなりにしっかりやってはいました。
特に先日の三連休では毎日何かしらの稽古を行っていて、かなり充実していました。
かなり空手濃度の高い三連休の中で、色々と新しい発見や変化もありました。
一つ大きかったのは基礎稽古の見直しです。
これは3日目の自主稽古会での話なのですが、基礎の基礎である「立ち方」を確認する対練(二人組でおこなう稽古)があります。
私が習っている空手は基本的に「ナイハンチ立ち」と「セイサン立ち」があるのですが、その移動の際にもう一人から圧力を掛けてもらって進むという稽古があります。
ナイハンチ立ちは横移動なので、肩を真横から押さえてもらい、セイサンは帯、または両手をクロスさせて肩に当てて肘あたりを押してもらいます。
私はこの稽古が苦手というか、全くうまくできなかったんですよね。
特にナイハンチの移動が苦手でした。
膝を左右方向にピンと張っった状態で両足に均等に体重が乗るようにした後に、進みたい方向へ首ごとグッと視線を向けます。
その際に首から動くとわずかに進行方向側の足に重心が偏るのでその流れにのって進行方向側に重心を集めきり、進行方向の逆側の足を前に送る。
以上がナイハンチの移動の流れになります。
ありがちなのは進行方向の反対側の足で蹴ってしまうということです。
ナイハンチの移動においては進行方向の反対側の足は寄せるという感覚が近いです。
しかし、この寄せるという動作が難しいとも言えます。
ナイハンチの移動の対練で肩を押されたとき、私はどうしても進行方向側の足に重心を載せきることが出来なかったんです。
なんというか、途中までは重心が寄るのですが、全部乗せ換えようとして、進行方向の反対側の足が地面から離れそうなときに蹴ってしまうような感覚があったのです。
これがまた厄介なのが、あくまで蹴ってしまうような「感覚」なので、本当に蹴っているかは微妙なんですよね。
「自分はうまくできていないんじゃないか」という感覚と「いやできてるかも?」というのがぐるぐる回ってしまうんです。
何故蹴っているかの感覚も分からないかというと、元は繊細な動きで判別しにくいということもあるのですが、それ以上に圧力が強く掛かると無意識に押し返そうとする力も働いて感覚がゴチャっとするのです。
なんとなく出来るようになるビジョンが全く浮かんでいなかったのですが、この稽古の見直しでやり方に変化が起きました。
どうやら他の有段者との意見交換で、その移動稽古の対練では「強い圧力は必要ない」という結論に至ったのです。
むしろ、力で対抗して押さえつけようとすると、押さえる側も相手が視線の移動をすることで起きるわずかな重心の変化を感じ取りにくくなるということもありそうです。
立ちの稽古をする側も押さえる側も感覚を養う訓練になるのが正しいということですね。
押さえる側があまり圧力を掛けないバージョンの移動稽古だと動ける感覚が出てきたので先に進めそうな気がしました。
言われてみると、相手に押してもらう立ち方の稽古は稽古会長が「悪い方向に行くと押すことが目的にすり替わる」と言っていたなあということも思い出しました。
いずれにせよ、やり方が変わったことで、立ち方の稽古のヒントがまた増えました。
別の話で課題を見出したのは組手でした。
自主稽古は終わり間際にライトスパーを行うのですが、その時感じたこととしては「足が動かない」ということでした。
素振りというか、一人で組手を想定したシャドーのようなことをやるときは突きと連動して足も自然に動くような感じでできるのですが、いざスパーリングとなると、足がパタパタしてしまいますし、何より手の動きが遅いのでうまく動けませんでした。
足がパタパタするのは、スパーリング慣れしてないせいで雰囲気に呑まれて体が縮こまり、何かあるとすぐ逃げようという反応が起きてしまうためです。
それでも頭で「重心移動は大事だ」と思ってはいるので何とか足を踏みかえようとしたりしてパタパタするんですね。
なんというか、武術系のネタ動画で神秘的な技を使う達人っぽい人が格闘技の試合に出たとたんステップがバタバタしはじめて、そのタイミングを読まれてパンチをもらって一発KOされるというものがあるのですが、その気持ちが分かりました(笑)
あとはあまり言い訳にはしたくないですがグローブにも慣れていないので手が動かないというのもありました。
進んだ部分もあり、課題も見つかり有意義な空手三連休でした。