今回はあまり「これは役に立つぞ!」という話では無いですが、ゆるい観点から物事に取り組むモチベーションを上げる方法の一つを紹介します。 

 

 端的に結論から言ってしまうと、そのモチベーションを上げる方法とは道具に名前を付ける事です。 

 

 例えば、私は長く続けている趣味としてコントラバスがありますが、その本体と弓二本全てに名前を付けています。 

 

 今の楽器を買う以前に使っていた本体にも名前を付けていました。 

 

 最初に持っていた楽器には、そのサイズと力強い音を出したいという思いからゴジラの映画等に登場する架空の戦艦の名前を付けていましたし、今使っている楽器は、同じくサイズからインスピレーションを受けましたが、今度は良い音で歌える様にというイメージで鯨に因んだ名前を付けました。 

 

 楽器関連で言えば一番最初に手に入れたのは弓でしたが、その時はスッと名前が思い浮かびましたね。 

 

 その後新しく買った弓は、元から持っていた弓から一字拝借して似ているがまた違うコンセプトで決めました。 

 

 この道具に名前を付けるという行為の効能ですが、まず初めに単純に愛着がわきます。 

 

 名付けにかける時間は関係ありませんが、決めるまでの本気度や、しっくりくる度合いが高いほどこの効果は見込めます。 

 

 特に趣味等では、時にその活動から心が離れる事もあると思います。 

 

 そんな時に、名前をつけて愛着のある道具があると復帰の一助にもなる事があるでしょう。 

 

 また、真剣に名前を付けようとすることで、その道具を使う物事に関するアンテナが強くなるという効果も見込めます。 

 

 どういうことかと言うと、このブログでも度々書いている認識にまつわる話になります。 

 

 真剣に名付けようとすると、その道具本来の使い方や個性に因みつつ、自分の願望等を乗せた名前を考える事になります。 

 

 真剣に付けた名前が後から、自分の意図にそぐわない事になったら嫌ですよね? 

 

 そういった心理から、自然に道具を使う事とその周辺に関心が向く様になるのです。 

 

 案外この愛着認識が向事の効果は大きいもので、そこまで質に変わりが無い市販の物でも、共有で使うのと、「自分の物」という認識があるものでもパフォーマンスが変わったりするのです。 

 

 私の楽器なんかもそうで、同じ価格帯の物を弾き比べてもパフォーマンスというか、弾き易さが全然違ったりするのです。 

 

 ここまで名前を付ける話をしましたが、あらゆるものに名前を付けなくてはいけないかというとそうでもありません。 

 

 まああらゆるものに名前を付けてそこに意識を注げるというのなら、それはそれですごい事なのでやってみてもいいでしょうが、まずは簡単に名前を付ける事がやり易いものを紹介します。 

 

 例えば一つ目はずっと使うもの 

 

 言い換えれば消耗品ではないという事ですね。 

 

 コントラバスを例に挙げれば、弓や本体はグレードアップで買い替える場合を除けばずっと使えます。 

 

 しかし、消耗品例えば弓と弦の摩擦を作るために必要な松脂に名前を付けると、使い切りの度に別れが来ますし、仮に毎回新しい名前を付けていたらネタが枯渇します。 

 

 また、ずっと使う物でも衣類等には付けなくても良いかなと思います。 

 

 衣類系はむしろ身に着けた時に自分と一体化すると思った方が、効果を発揮するでしょう。 

 

 その観点で言うと「道具も手足の一部と思えば良いのでは?」となりますが、最初から身体に纏う衣類等と違って道具類はすぐに習熟するものでもないので、最初は相棒の様な感じで意識を向けると思っていただければと思います。 

 

 最後に大事なのはやはり思い入れがある物ですね。 

 

 意識を向ける為に名付けるのか、意識が向いているから名付けやすいのかみたいな話にはなりますが、あくまで入門としては思い入れがある物に着けてみるのがやりやすいです。 

 

 そう考えるとまずは趣味の分野の道具から始めるのが良いでしょうね。 

 

 誰に強制されるでもなく、自分からやりたくてやっている物から始めた方が効果を実感しやすい筈です。 

 

 この記事を執筆している今、私は空手の武器術で使うサイの名前を考え中です。 

 

 名付ける為に思いを巡らす時間も楽しいですよ。 

 

 ぜひお試しあれ。