鉱物女子の石ずかん

鉱物女子の石ずかん

たかが石ころ、されど石ころ。うっとり魅せられるような、美しい鉱物たちをご紹介していきます。

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久しぶりの更新になりました~!

今日の石は、「モリブデン(水鉛)」という金属がとれる鉱石、

「輝水鉛鉱(きすいえんこう)」。




・・・ちょっと地味な石ですね。


モリブデンとは、半導体基板、ガラス溶融電極などの材料になっている金属。

原子番号42で、元素記号はMoで表されます。

鉄はFe。金はAu。と同じように、モリブデンという金属ははMoです。

モリブデンを採掘するときには、事実上、この「輝水鉛鉱」からのみ採掘できるそう。

なので、戦後、米軍が日本に進駐したとき、まず日本の輝水鉛鉱を探したと

いわれています。

そんな輝水鉛鉱の化学式はMoS2。硫黄と合体しています。



上の写真の、1点に集中した放射線状の筋が見える部分だけが、

輝水鉛鉱。(母岩は別の石です。)

色は銀色のような鉛色。モリブデンは硬い金属ですが、その鉱石である輝水鉛鉱は

非常に硬度が低いためやわらかく、爪で跡がつけられるほど。

セロテープをつけてから取ると、簡単にはがれてしまいます。


地味だけれど、この放射状の模様が面白い。飾っておくというよりは

大切にコレクションの箱の中にしまっておきたい石のひとつです。


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輝水鉛鉱(きすいえんこう・molybdenite)

分類:硫化鉱物
化学式:MoS2
結晶系:六方晶系
へき開:きわめて完全(1方向)
モース硬度:1~1.5
光沢:金属光沢
色:鉛灰銀色
比重:4.62~4.73