ビストロR




まだ夕方明るいうちに入った
小さな隠れ屋風レストランは
私たちの他に客はいなかった










足の悪い店主が
ゆっくりと卓上のロウソクを灯してゆく
ゆらめく炎がたちまち私たちを
非日常へ誘う

音楽はロマンチックな異国のメロディ

目の前の
窓の外がむらさきから
藍色に変わって行く


風が強いのか
色あせた
フランスの国旗がはためいている



一口アミューズと白ワイン

一期一会の時間




コースは一つだけ
心を込めた料理は
店主が自ら一皿ずつ運んでくる
はにかみながら
小さな声で料理の説明をする


今日はメニュー表とは
少し違う料理なので
と恥ずかしそうに微笑んだ



ズワイガニの蒸し物   一皿目の前菜

魂の記憶




古代のハープの音色の音楽が聞こえてくる
細胞に染み込んだ
記憶が呼び覚まされて
古代の
異国に想いを馳せる


合鴨のスモーク  二皿目の前菜



誰にも言えなかったけど
子供の時夢を見たの
悲しく恐ろしい夢







その男は
石畳にの広場にたたずんでいた。
みすぼらしい姿で
髭を生やして
古代の服を着ている。
その男は
人々に罵られていて
石や火のついた
小枝を投げつける人もいた。

麻布のような服が焦げる。、


その火のついた小枝を
必死で払いのけると

その髭の男は私を見上げ
そのままでいいんだよと
無言で伝えてきた



深く悲しみをたたえた黒い瞳
無実の罪を背負う


全てを悟るような千里眼の瞳





紀元発祥の地







イスラエルかと
彼は呟いた

冷製コーンポタージュ🌽



そうだよ
紀元の源
その場所を確かめにいくの







真鯛とホタテのグリル



キリストの誕生により世界史は
紀元前と紀元とに
二つに分かれた




モーゼとともに
旅する民

ユダヤの人々は
流浪と受難の歴史を歩み続けた



ナチスのユダヤ人への
迫害と虐殺があったのは
つい70年前のこと



杉原千畝氏が救った
ユダヤ人の子孫も
イスラエルで暮らしているという










和牛のあばら肉のステーキ






ディナーが中盤になって
デザートが運ばれても
他の客は入ってこなかった

台風が近づいているらしい


パンナコッタ チョコレートケーキ チーズケーキ
マンゴーとパッションフルーツのジェラード


出口まで見送る店主に振り返る

風が気持ちいい

とても美味しかった
いい夜ね


店主はまた
嬉しそうに控えめに微笑んで
深々と頭を下げた





最後までお読みくださりありがとうございます😊

そういうわけで、来月イスラエルへ🇮🇱
行ってきますニコニコ→これはほんと たぶん



誰もみたことのない、日本の三種の神器にはユダヤの星が描かれているとか。
失われた聖櫃のペトラ遺跡にも行ってきます爆笑




このビストロに行ってみたい方
いらしたらメッセージください^_^




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