<フィクション51>
「ある巫女の物語」 のスピンオフ
イッチは執拗にユキンの誹謗中傷を続けている。2年以上前にさかのぼる出来事をまた再現しようとしているイッチ。ユキンは、そのことにより鬱を発症しており、今回のことで再度体調を悪化させていた。
ユキンは周りの友人たちをとても大切にしてきた人物。かつてグループの運営の仕方が下手なところがあったとしても、それだけで彼女がこんなひどい目に遭う理由は無い。
むしろケイトやマギーの1部の会員に対する仕打ちの方が犯罪的なものがある。
本来ならユキンが名誉棄損でイッチを訴えても良いくらいなのだが、普通に生活している庶民にとっては裁判に持ち込むと言う事はやはりハードルが高い。
当然金銭的なことと知識的な事が重くのしかかってくる。
弁護士を雇うにしてもお金がかかるし、本人訴訟となると深い知識が必要とされる。
ユキンと同じように被害を受けた者が、イッチに対して警察に被害届を出すといった出来事もかつてあったらしい。
当然イッチの陰湿な行為に怒りを覚えるものは大勢いたはずだ。
その中の1人イーサンも、イッチの行為を批判する内容を自分のタイムラインにアップしていた。
そのような状況の中、イッチがイーサンの書き込みに対して訴訟を起こしてきたのだ。
内容は
- 名誉毀損
- 著作権侵害
- 業務妨害 による損害賠償
自分がユキンに対して行ってきた悪質極まりない行為を批判されたことに対し、このような裁判を起こすこと自体一言で言うとばかばかしいとしか言いようがないのだが、このまま放置すれば一方的にイッチが勝訴したこととなるので、イーサンが受けて立つしか仕方がない状況になったのだ。
通常のSNSで頻繁に行われる相手方の写真を引用しての批判に対し、引用が著作権侵害に当たるなど、それが認められるとSNS自体が成り立たなくなる内容。
内容的には却下されるべきものなのだろうが、表面上の訴訟を起こす形式的条件が揃っているから、ひとまずは裁判所が受け入れたと言う形なのだろう。
その過程で、いろいろわかってきたことがあった。
イッチは以前から訴訟を起こすぞと言う恫喝により、相手方を恐れさせ、和解金を勝ち取ると言うチンピラヤクザのようなことを繰り返しており、グループB内においては、特定の会員と拗れにこじれ、それを見た別の会員がイッチを恐れて、グループから遠ざかっていったのも数多くいたとか。
現実に今、イーサンに対する訴訟の過程で、イーサンの書き込み内容に同調したとして、直接関わり合いのない人物に対する訴訟を匂わすようなことまでしてきている。
その人物が訴訟を恐れてイーサンに和解するよう泣きつくであろうと言う作戦なのかもしれない。
一方、プライエスト、彼女は呪詛により体調の悪化に至っていたことまでわかってきた。
恐ろしい世界があるものだ。
あらゆる世界に悪意が暗躍しており、それがそのまま許されるはずはない。
おそらくプライエストとイーサンの出会いにより何らかの突破口がお互いにとって生まれてきているのではないかと思われる。
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