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あぁ ここで死ぬのか ...思ったほど何も思い浮かばないな 自分が死ぬなんてこと考えてもみなかったが... 確かにまだ 死にたくはないが、もう指一本動かせない。 私が死んだら誰が悲しむんだろうな...誰かが骨を拾ってくれるといいが
と半分ぐらいしか働かない頭で考えていると...
「うあああああああああああああああああああああっ!!」
なんだ!? 魔物がいなくなっている... いったいな......に.............が...
遠のいていく意識の中で若い男の声が聞こえる。
やっちまった。かっこつけて魔物を吹き飛ばしてしまったが、俺に硝酸狐を倒せるのだろうか...くっ
「よーっし よくやったぞ 鴨脚(いちょう) 試験その...番号忘れたけど、合格だ!」
なっ 師匠がなんでここに!? なんか魔物が化けたのか!? これ以上手に負えないぞ...
「なんでって思ってるな それはお前がへましたときのカバー用に監視してたからさ。いろいろとつぶやきも聞いちゃったから、後で覚えとけよ。」
意地悪い笑みをにやっと浮かべると
「そいつ背負ってただ突っ走って家まで運べ。そんぐらいできんだろ。魔物はあたしがやっとくから」
軽量魔法をかけ倒れている女性を担ぐと、一直線にかけるべく魔法を発動する。背後で師匠が
「こいよお前ら まとめてぶっ倒してやる」
とかつぶやいている。ら がついたということはまた増えたと言うことだろう。戦闘に巻き込まれないよう森を駆ける。魔物をよけながら全力で疾走した。家についたのは5分後くらいだったが、30分ほどかかったように思えるくらい集中した。そのときのことは全力で走った事ぐらいしか覚えていない。
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「さーって 不肖の弟子の鴨脚くぅーーん あたしのどこが怖いっていうのかなーん」
「ひぃいいいいいい」
こうなった時の師匠は恐ろしい。どS精神が目覚めると、過去の事をほじくられたりして悶えることになるからだ。もちろん身体的ないじめ(暴力) もはいるが...
「さて、今日は何をしよーかなーあ っと行きたいところだが... 、少し真面目な話をしようか」
「なんですか師匠」
「あのあたしがこなかったらどうするつもりだったんだ?」
「...」
「なんとかなるとでも思ったか? 甘いな... ったく 人を助けるなとは言わない。人を見殺しにするやつは大っ嫌いだ。だがなぁ 出来ることと出来ないことを考えろ。ここで二人死ぬのと、お前だけ助かって、この後たくさんの人を助けるのはどっちがいいと思う?」
分かってるさそんぐらい。分かってたんだ。でも目の前で殺される人間を見捨てられるかよっ。
「でもっ...」
「お前の言いたいことは分かる。よりたくさんの命を救いたいなら強くなれ。分かったか。」
強くなること...もっと強く...
「ほら 彼女が目を覚ましたようだぞ。お仕置きは後にしといてやる。」
そう言うと師匠は奥へと歩いていった。師匠なりの配慮というものだろう。たまにはいいところもあるじゃないか、と改めて思った。