チャミがいた頃、野良猫が家に迷い込んできました。黒い猫でした。
まだ子猫でしたが、2歳ぐらいに見えました。毛はボロボロ・・・。どうなることかと思いましたが、エサを食べさせると、どんどん毛並がよくなりました。
この黒い猫は、大きな声で鳴くことができませんでした。小さい声しか出ないのでチイと名づけました。
チイもしくはチッチと呼んでいました。この猫は母にだけ、なついていて、私は怖がられていました。
抱かれると脱力する技をチャミを見ていて学んだようでした。ですが、チャミと違って、抱かれた人の顔は怖くて見られないという猫でした。
私は特に怖れられていました。でも、家人としては認めていたようです。
よく私が帰る頃になると、玄関で待っていました。家では私が最後に帰ってくるので、私を逃したら、家に入れてもらえないと思っていたようです。
チイはチャミと違って、出されたエサはがつがつ食べました。チャミはキャットフードがお皿にカラカラと音をたてて入ると、すぐに逃げ出しましたが・・・。
チイは、エサのやりがいのある猫でした。
食事中に触って欲しい猫もいますが、私は食事中に触らないようにしていました。
チャミはともかく、チイには怖れられていたので・・・。
食事中には、この人は触ってこないとチイもわかってくれたようでした。
チイはよく寝る猫でした。ちょっと寝すぎじゃないか? と思うほど。
しかし、外ではもの凄く緊張していたのでしょう。外に出してと催促するので、出してあげると、ダッシュでトイレを済ませて、すぐに家に帰ってきていました。
チャミは寝ている時に、人が腕を伸ばすようにしてやると、それに乗じて伸びをしてくれたものですが、チイはそうされても、ただ怖いだけで、それに乗じて伸びをしてくれなかったですね。
お腹が空いたら、チャミはニャンニャン鳴いたり、身体を人の足にこすりつけたりして、催促しましたが、チイはお皿の前に姿勢よく立つだけでした。
いじらしいですよね。寝ている時も、一生懸命、寝ているような猫でした。
だいたい寝場所は決まっていましたが、寝ているところに私がちょっかいを出しにいくと、怖いし、逃げたいけど、眠い・・・という感じでした。
チャミには、よく手を握ってみたり、猫が嫌がることをしても、安心しきっているのか、逃げ出したりすることはなかったですが、チイはすぐに逃げ出そうとしましたね。
チャミは手を握ると、必ず、手を引っこ抜くんですが、人の手を噛もうとしたり、ネコパンチを浴びせたりはせず、逃げ出したりもしませんでした。
私もチイに好かれようとして、なるべく嫌がることはしなかったんですが、母以外には・・・。
寝ているチイに私が近づくと、ハッと緊張するのは最後まで変わりませんでしたね。
怖れられてはいましたが、嫌われてはいなかったと思います。
よく目ヤニが出る猫で、なぜか左目だけに目ヤニが出ていました。その目ヤニを取ってあげるのが、怖れられていた私の役目でした・・・。
そんなチイですが、一度だけ、寝ている時に、私がチイの腕を伸ばすようにしたら、それに乗じて伸びをしてくれました。
伸びをしてくれて嬉しかったです。それはチイが亡くなる数週間前の出来事でした。
その後、チイは日に日に衰えていきました。
最期の朝、外でトイレを済ませて、エサ少し食べ・・・そのまま亡くなりました。
私は怖れられてはいましたが、チイが好きでした。
これで幻の猫・・・三代は終了です。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
