　お疲れ様です。

　本日も雨、湿度９９％、一寸先はカビ

風呂の目地とのイタチごっこ始まる。結構な昔、とあるトーク番組で某福山さんが風呂掃除の拘りについて、「服を着るよりもまず、スクイージーで風呂じゅうの結露を一層する」と、話されていて、特にファンでもなかったのだが、それ以来真似っこしている。

それでも、目地は気が置けぬ。半身浴中ぼぉーっと浸かっている場合ではない。古歯ブラシ片手にゴシゴシ、某松居さんのようになりそうでビビっておる、早急にでもカビ知らずな壁にリフォームしたい。

　掃除などせずカビだらけにしたら夫も、これはいかんと重い腰をあげるのかと、しばし見て見ぬ振りを決め込んでみたが、黒い線に耐えれなかったリフォームの呪文を唱え続けよ。

はにゃ

　はにゃ～、いつの間にこんなに時間が過ぎてしまったの

　などど、薄ら可愛く言うてみたところで無駄、このボケ、カスボケ過ぎんねん

決して、夫への愚痴ではなく、夫への愚痴はこんな程度ではない。己にヤキを入れる日々である。

　わりと、のんびりめであった数週が過ぎた後、本社出張が続き駆け巡る数日であった。そして、いつもの如く宿題が蟻塚🐜働け、ボケカスは続く。

　そんな中、地下鉄が面倒臭くてふと乗ったタクシーの運転手さんが熱すぎて、はにゃだった。私はなぜ、こうも話しかけられやすいのか、今更ながらに薄く考えこんだではにゃいか

　乗車してすぐ

「もう温暖化はどうにも歯止めが利かないよ、お客さん」

　と宣言をされた。初老の男性運転手さんは、わざわざ後部座席を振り返って話しかけてきた。前を見て運転しろジジィとは言えない。

　タクシー運転手には、温暖化問題について憂いている方が多い気ぃがする。車がなければ成立しない職業だから、【温暖化をくい止めるために、どう対策をとればええのか】と、色々考え、心を痛めてみえるのだろう。

　温暖化の話題を振られるのは、初めてではなかったので、差し障りなく返したのだが・・・

「ダメダメ」

　と哀しげに勢いよく頭をプルプルされた。前を見て運転してください

「もう手遅れなんだよ。異常気象は止まらないよ。なんか口先ばっかりで協力的じゃないし」

　宗教的熱狂にかられているかのような口調で捲し立ててみえた。

「南極の氷が全部溶けたら、日本は富士山の頂上がちょっと残るだけらしいですよどうすんの、それっぱかししか残らなくてみんな死ぬ」

　派手めに舟を漕いでいる風に偽装してみたが、そんな時に見ちゃいないようで

「そ、そうですね・・・」

「じわしわと海面が上昇して、みんなゆっくり、苦しみながら死にゆくしかありませんよ食べ物もどんどんなくなってねだって畑が沈むから苦しみながら生き死にしていくんだぁ～(なぜか語尾だけ詠嘆調)」

　お、降りたい降ろしてくれ、ジジィと思っていると、急に冷静な口調になり

「地球は全て海になり、そっからまた新しい命が生まれるんですよ。人類ではない、新しいひとが。ま、ひとだか宇宙人だか、何が生まれてくるのかわかりませんがね」

「は、はぁ・・・何かがまた生まれてくるなら、まぁそれはそれでええことですね」

「うん、だがね、新しい生命が生まれても無駄」

　再び、宗教的熱狂じみてきた。

「だってお客さんね、太陽太陽だって、あと一万年後だかに寿命を迎えるらしいんですよ太陽死んじゃうのそしたら地球も死ぬしかないでしょう」

「生き物が必ず死ぬのと同じように、すべてのものに終わりがくるようにできているのでしょうか・・・」

「不思議ですよどうして宇宙規模でそういう仕組みになっているのか、私は本当不思議ですよ人間や動物に寿命があるのはしかたないとして、でもなにも太陽まで死ななくてもいいじゃないですか」

　そのようなことを考えながら、この方が一人、都会をタクシーで走ってみえることに比べたら、一万年後に太陽が死ぬなんて、ちっぽけなことのように思えてきた話を終わります。

ハゲがある

　男性の老化現象の１つにハゲというものがある。本人からすれば、深刻な悩みであるやもしれぬが、傍からみると、あぁ～っとなる現象だ。若いころは、ハゲで笑っていたものだ。若さとは残酷なものやだが今これを綴っている私は違う。とてもやないが、ハゲを笑えない。

　というのも、私は最近思いもよらぬ場所にハゲを発見してしまったからである。

　あれは、数日前のこと。出張から戻り、今宵はシャワーやなくて湯舟に浸かろうと入浴剤をいれて、半身浴だとまた掃除がしたくなるので、浸水しては浮くを繰り返していた。水中でフワフワとたなびく己の股間を、ぷかりと水面にだしては引きなどして遊んでいた。コンタクトを外し忘れていることに激痛で気付く。が、そのせいでふと

「ん」

　妙なことに気ぃついて、目を細めた

気のせいだろうか、どうも往年に比べて薄くなっているように見えた。だが髪の毛と違い、陰毛の量など毎日チェックする習慣がないため、確かに薄くなっていると言い切る自信はない。

　私は身を屈め、たなびいていた付近をじっくり覗きこんでみた。

　実は以前から何となく、そこに小さなハゲらしきものがあるのを知っていた。いつ頃できたハゲかは知らぬが、ある時風呂で身体を洗っているときに偶然気付いた。密集しているはずの一部分に、妙にスベスベした箇所がある。長さ2センチほどのアンドロメダ銀河のごとく細長い楕円のハゲだ。

　「はて、こんなもの、いつ頃できたんやろ。というか、今まで気ぃつかへんかっただけで、前からここだけハゲてたんかな」

　以来、スベスベ楕円地肌の感触を確認しては

　「あ、ハゲている。今日もハゲている」

　と、なんとなくそのハゲを愛でてさえいたのである。が、いつの間にかその確認も怠慢になり、すっかり楕円ハゲの存在を忘れてしまっていたところに、此度の疑惑が勃発した次第であった。

　浴槽を出て身を屈めよくよく検分してみると、アンドロメダ銀河型ハゲが勢力を拡大し、かなりの大きさの銀河に成長している。咄嗟に私の脳裏に浮かんだのは、ハゲに遭遇しては口ずさんでいた【ハゲの数え唄】だった。

ひとつふたつはいいけれど

みっつ、三日月ハゲがある

よっつ、横にもハゲがある

いつつ、いっぱいハゲがある

むっつ、向こうにハゲがある

ななつ、斜めにハゲがある

やっつ、やっぱりハゲがある

ここのつ、ここにもハゲがある

とおで、とうとう、つるっぱげ

　密かに成長を遂げていたアンドロメダ銀河ハゲを、たまにトントンとしながら小声で歌い愕然としてしまった

　この唄には、恐ろしい真実が隠されておる。ハゲは増殖するのである最初は「ひとつ、ふたつ」であったハゲに、新たに三日月ハゲが加わり横にもまた生まれ、次から次に増え最後はつるっぱげになるそんな【呪われたクローン増殖】を歌った唄であったのだ。

　いやぁー慄くハゲなど他人事だとばかり思い込んでおったので、深く考えてみたこともなかった。このように我が股間に、その密やかな増殖を発見するまでは

　そして、次に思い出したのは遥か昔に祖父とスペインへ行った際、全裸で往来を歩いているお婆さんに遭遇したことだった。(※おそらく認知症の高齢女性。)お婆さんは、全身発光するようなピンク色の肌で、その股間もスベスベだった。

　子供ながらに「ヨーロッパの方は薄めなんだな」と思ったのであるが、もしや、あの方も老化により、つるっぱげになってみえたのだろうかそして、いつか私も、あのようにつるっぱげに

　ま、ハゲが１個あるより、いっそつるっぱげた方が便利がよさそうでもある。老後に備えて、股間もつるつるに脱毛しましょう、という時代であるし。ハゲを笑えないけど、別につるっぱげになったとて、かまへんないう話でした。

エア

　ハゲの話で終わるのも何なので、続けます。

　先日、同僚Nさんと往復４時間半の車移動中、いよいよ話題が尽き果て「好きな芸能人」の話になった。Nさんは幼少のみぎり、チェッカーズが好きだったらしい。とことん趣味が被らないのだが、今回も被らず。小２のとき、初めてテレビの中の人を好きになったが、チェッカーズではなく吉川晃司で未だに薄くファンであるし、未だになんて歌っているのか歌詞は聞き取れない。

　が、しかし、初期の頃の歌ならば対応できるし、チェッカーズ談義で間を繋げるぞと地味に勢いこんでおると、Nさんが怒級の一言を発した。

　「私は小学生の頃、【藤井兄日記】をつけてたの」

　「はい」

　「【藤井兄日記】」

　「・・・それはなんですのん」

　「当然、兄のあれこれを綴る日記よ」

　「会ったことないのに」

　「心のなかで会ってたの。それから、藤井兄に取り入るためには何が必要か考えた結果、『お菓子を作ろう』と思い立ってね。お菓子作りの本を毎日眺め、脳内でタルトとか作ってた。作るのに時間がかかるのよね。生地を数時間寝かせなきゃいけないし。忙しい日は、簡単なゼリーとかね。そうだ１８センチのホールケーキを作るのもなかなか大変だったわよ。結構大きいじゃない１８センチって。生クリームでデコるのに骨が折れるのよ」

　「ちょっとよろしいでしょうか」

　「なんなりと」

　「『脳内で』とサラッというたはりましたが、もしかして、お菓子作りを全て脳内で行ってみえたのですか」

　「ええ。小学生ですから。お菓子を作りたくても、小麦粉を自分で買うお金とかなかったからね」

　「えーっとつまり、エアお菓子作りを」

　「うん」

　「脳内でケーキをエアデコされていたの来る日も来る日も」

　「うん２段ベッドの下の段で。上の段で眠っていた姉は、たぶん毎夜うなされたと思うわ。下からモワ～っと襲いくる幻想の甘い匂いにあてられて。」

　ぎゃ～っアホかっ負けた、と思った。毎夜藤井兄のためにエアお菓子作りに励み、エアケーキを捧げていたNさんに、変な子供具合で完全敗北を喫し、薄く尊敬をした。

１mmも悔しさを感じない完全敗北の話を終わります。

　シロクマの画像をたくさんお借り致しました。一時は狩猟などにより絶滅が危惧されたけれど、国際的な保護活動により危機を脱したのに、現在はまた、タクシー運転手さんの話のように温暖化や北極圏の環境悪化などの影響で個体数が減少している。シロクマの絶滅を防ぐために、私にもできることを地味に続けている。「電気をつけっぱにしない」「冷蔵庫はパンパンにしない」「冷暖房の設定温度に気をつける」「車での移動を減らしてチャリにする」など。

　彼等を窮地に立たせるような原因を作ったのは、紛れもなく私たち人間だけど、助けることができるのもまた人間なのだと。いなくならないでほしい、と願って自分にできることを続けていきたい。

　最後までお付き合いいただきありがとうございました。ほなまた、いつかまで

ハゲがある、他