断酒する前の、苦い記憶がある。
その日、僕は子どもを保育園に迎えに行く前から、すでに酔っていた。
保育室の扉が開き、私を見つけて嬉しそうに走ってくる我が子。その姿を、私は悪びれもなく動画に収めていた。すぐに保育士さんから「撮影は禁止です」と注意を受けた。
今思えば、酒臭さもあっただろうし、完全に不審な人物だった。正常な判断力を失った頭では、一般的なルール違反にすら気が回らなくなっていたのだ。一歩間違えれば、泥酔のせいで取り返しのつかない過ちや、犯罪に手を染めていた可能性だってゼロではない。
子どもにそんな父親の姿を見せ、嫌な思いをさせるところだった。
あのまま酒飲みを続けていたら今頃刑務所だったかもしれない。と考えれば今の人生はほとんど儲けものだ。
酒やめてよかった。
