[お酒の力]
よく「お酒の力に頼って、、」というフレーズが出てくる
漫画や小説、リアルな世界でも実際言われれいるような言葉
私は今までその力に頼ったことはない
まず酒に強いから限界を知らないし、記憶がなくなったこともない
サークルに所属してれば知れたかもしれないが
私は少人数で楽しむタイプだから、程よく酔ってきた
そんな私は今日、お酒に頼ってしまった
こんなことは初めてだ。
母親から今日の19時にいつもの居酒屋に現地集合と言われて向かうと
4つの席がセッティングされていた。
もう一人、私のいとこが来ることはわかっていたけども
4人だなんて聞いていない
母は笑顔で「お兄ちゃんがくる」と言った
簡単に言えばいとこの父親だ。
彼は「半沢直樹」でいう大和田と同じ地位で
関西で有名な某証券会社の副社長
大きくて、せっかちで、意地悪で
でも秀才で、物腰柔らかく、自分の否も認める
一言で「すごい人」だ
彼は家族(私含む)にたくさんの愛をくれる
楽しく生きろ
お金のことは心配するな
人脈が大切だ
私の父とは違う懐のデカさと自由さを持っていて
さすが私の母の兄だなぁ、と似たところを感じると共に
彼の元で育った従姉弟を羨ましく思っていた(いる)
ただ最近、彼からの愛は大きな鞭(ムチ)だと感じ始めた
男は必死で働け
女はさっさと結婚しろ
などと時々、荒い口調で叫び散らす
大魔人と呼んでもいいぐらいだ。
まあ幼い頃から私の体型や体力の無さに小言を言う人だったから
若干、彼に対して苦手意識はあった。
そんな彼が今夜やってくるなんて、鳥肌が治りそうにもなかった
彼は1時間ほど遅れて席に着き、角ハイボールと数本の焼き鳥を頼んだ。
私が頼んだトマトが彼の前に置かれていたので箸で取ると
「なんで目の前のやつをとっていくんだ」
と、意味のわからない愚痴を言われた
「私が頼んだからだよ」
「ああ、そうか」
少し余計な言葉を添えてくる彼
悪い人ではない、
ただ、厄介なだけだ
今日は従兄弟が職場の近くに引っ越すため
最後にいつもの居酒屋で集まる日だった
彼は今の大学の魅力を教えてくれて、入学するきっかけを与えてくれた人
いとこであり、直々の先輩でもある。
私の大学の親友が働いている場所ということもあって
彼と二人で飲みに来たこともあり
心落ち着く居酒屋だ
"お世話になりました、楽しい時間をありがとう"
そうやって快く送り出そうと思っていたのに。
「職場から家は何分ぐらい?」
「おい、ここの角ハイは薄いぞ」
「20分ぐらいじゃないかな」
「しょうもないお酒しかないな」
「家具は揃えたの?」
「メルカリで冷蔵庫買いたいんだy「おい」
また会話のキャッチボールが遮られる
彼にとって気に入らない店だったんだろうか
この話が面白くないのだろうか
いずれにせよ、従兄弟がメインのはずなのに
大魔人がメインの飲み会に変わっていた。
そう頭を抱えてた矢先、私に槍が飛んできた
「お前は来年働いてるのか?」
「...え」
時間が止まった感覚だった
真隣には就活の話を一切知らない母親がいて
目の前には何も知らない従兄弟がいて
「まあ、働く場所なかったら結婚しちゃえばいい」
吐きそうだった
今飲んだお酒が一瞬で胃の中を荒らすような感覚
大好きな鶏皮ですら喉を通らない
今日は親友が働いていて
この酒だって彼女が作ったものだ。
誰にも迷惑はかけられない
イマも
未来も
色んな考えを巡らせ
葛藤しながら何もないふりをし続けたが
早くこの場を去りたいと思った。
「まあ、ということでお前の引っ越し祝いにかんぱーい」
そうやって槍を刺しては、抜かずに進んでいく彼
もう母親の言葉も、大魔人の言葉も全く入ってこなかった
正直、今日の飲み会でいうつもりだった
「もう就活やめんたんだ」
私はこの一言を言う機会を逃した後悔と
とことん母親の家系と合わない悲しさが混ざって
そこまで強いお酒を飲んでないのにも関わらず、酔いが酷くまわった
そんな時、高校の友人から「電話できる?」と通知がきた
急な電話は何かあるはずだと思い、慌てて外に出た
少しだけ、泣いたのかなと思うような声色に思えたが
内容は就活に関する相談だった
普通にPR動画ってどうやって作ればいい?っていう質問で
私もやったことある選考だったから簡単に答えた
そうか、まだ就活している友達はいるんだな
絶妙にいいタイミングで現実を見せられた気分
電話を取らなければよかったとも思った
涼しい秋風を感じながらこのまま家に帰りたい
その気持ちを抑えて、また再び狭い小さな席へ戻る
「まあ、女の子を海外に行かせるのは心配だな」
「生活費もシャレにならないでしょう?」
母と大魔人が私の存在に気づくと
フェードアウトするかのように会話が消えていった
でもその話の断片だけ聞くと、私の内容だとすぐにわかった
わかる、わかるよ
私の幸せを願ってこその心配
正規ルートから外れる不安
海外へ送り出す恐怖
全て理解できるよ
だって私が当事者だもの
でも私はその全ての感情を抑えてまでも
強く生きようとしているのに
なぜ私以上に心配するの
なぜ心強く支えてくれないの
なぜ私を信頼してくれないの
泣きそうで、耐えれなくて、私だけが弱いように思えた
タクシーをせっせと捕まえた大魔人は
「早く飲み干せ!」と私たちを急かし、タクシーへ押し入れられた
「ママ、もう二軒目は行きたくない」
「なんで?きっと楽しいよ」
「もう飲めない」
「1時間だけでも行こう」
なんでなの
理解しない母を憎み
私の味方だと思っていた母は、もう敵側に回っていた
まるでスパイのようにも思えた
そして私は自分を捨てるように酒を飲んだ
スナックママさんが経営している小さなバーで
カウンターには他のサラリーマンも座っていて
みんなでカラオケ大会が始まっていた
大魔人は常連のため彼のボトルまであり
ママさんも笑顔で注いでくれた
この人のボトルを全部飲んでやろう
この16000円もする酒を
全部、全部___
「今日は楽しかったでしょ?働くとああいう所で楽しめるんだよ」
23時前、帰りのタクシーの中でそういった母
「働く楽しさを教えれてよかった」
「...そうだね」
こんな飲み会が楽しいのか
じゃあ気づかせてくれてありがとう
私の性に合わないってこと。
握り拳を作っていた手が痛い
でも今日のうちに書こう、、と思ったけど
寝落ちしてたので、次の日の現在書きました。笑
今日はこうやって物語仕立てにしましたが
読みやすいですかね?笑
私はすごく書きやすいです笑
また思い日記になっちゃうナァ