カタール航空搭乗記  | ● アモーレ航空 :エジプト・カイロ空港乗り入れ航空会社・カイロ空港から市内へのアクセス情報など。

● アモーレ航空 :エジプト・カイロ空港乗り入れ航空会社・カイロ空港から市内へのアクセス情報など。

カイロ空港CAI・エジプト乗り入れ航空会社関連、カイロ空港国際線・国内線、
カイロ空港ターミナル別使用航空会社リスト、カイロ空港からカイロ市内へのタクシー・バスによるアクセス情報などの簡易HP。

以下、カイロ日本人会会報向けに書いた原稿。

締め切りギリギリで送信したので掲載されない可能性もあるが、ちょっとは参考になるかと思い、「アモーレ航空」でも読めるようにしておくことにする。


カタール航空搭乗記 
                        一時帰国中 丸山茂樹

07,6月、リフレッシュの為の一時帰国により、ヤバンで過ごしております。
カイロよりカタール航空に搭乗しまして、その時の記録をカイロにお送り致します。
なにかの参考になれば幸いです。

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チケット探し

経費を使える身分ではない一個人で、
カイロにて航空券を安く安心して調達したい場合、情報の蓄積と、足と頭を使う必要があります。

残念ながら、タハリール広場周辺にある旅行代理店のいくつかは、
過去、私の知っているだけでも不誠実な事を数々やらかしています。

:路線の無い長距離バスチケットを売った。
:全ての税込み価格であると言っておきながら、引き渡し時に別の「TAX」を要求する。
:安値で購入できると客を引きつけておき、最後の最後、発券引き渡しの段階で
「予約できなかった。」と言い、当初の価格より航空券を客に売りつける。
:航空会社の正規オフィスを装い、混雑しているエジプト航空オフィス周辺で客を引っ張り、リコンファーム手数料を「TAX」と言いくるめ徴収する。
:クレジットカードの不正操作

等です。

エジプトと日本とを結ぶ格安航空会社は07,6月現在まだありません。
また、現在エジプトの旅行代理店販売における航空券価格は、
基本的に出国税、空港使用料、サーチャージなど全て込みです。
{注:ただし、空港使用料別途現地徴収の空港が目的地の往復航空券や、ストップオーバーの場合を除く。}

日本の格安航空券販売会社は、団体航空券のバラ売りや、航空会社からの販促手当を見込んだ割引のため、業者によって価格がかなり違うのですが、
エジプトの場合、そのようなシステムはあまりなく、航空会社の卸値にそれぞれ利益を乗せるというビジネスシステムですので、まともな代理店ならば、
チャーター便やキャンペーンでもない限り、大体横並びとなります。
同じ航空会社の路線なのに妙にそこだけずば抜けて安い言い値のところは、注意を要します。

ただし、
販売実績卸値割引があるので、A航空会社の路線は販売価格が安いとか、
複数の航空会社を使ったお得な航空券を扱っているか、
格安航空会社を扱っているかどうかなどは、
各旅行代理店間で差があるため、その辺は足を使って自分で調べる必要があります。


また、前記ビジネスシステムの事情から、航空会社直営オフィスの方が安い路線もあります。
エジプト航空が期間限定の日本路線キャンペーンをサイト発表する時もあるので要チェック。

世界各地から各地への格安航空会社の移動検索に関しては、
「ウィッチバッドゲット」http://www.whichbudget.com  
というサイトが有名ですが、
エジプトと日本路線のある格安航空会社はまだなく、
エジプト航空日本路線キャンペーンもなかったので、
過去情報の蓄積から、2軒の代理店にてカイロ発日本行き航空券価格をチェック。

私の地元は関東なのですが、大阪の知人を尋ねるのも良い機会で、
カタール航空にまだ乗ったことがないので、大阪でもかまわず、
一時帰国後の展開が確定していなかったため、求めたのは片道航空券。

07,5,17調査 1ドル→5,68LE。
以下は全て片道航空券。

●エジトラヴ{タハリール広場}

エジプト航空MS

カイロCAI→成田NRT    3160LE
CAI→関空KIX     3160LE

カタール航空QR {乗り換え地のハブは、ドーハDOH。07,5月現在成田路線無し。}

CAI→DOH→KIX 2956LE

レイクスツアー{タラアトハルブst }

MS 同日本行き 3100LE

QR 同 関空行き 3085LE

で、カタール航空に乗ってみたいという気持ちから、
結局、エジトラヴにてカタール航空のカイロ発関空行き片道航空券を購入。
2956LE。
Eチケットでありました。購入時ではパスポート番号の確認なし。
ネット経由の購入者もいるので、そっち経由の購入者には事前チェックが出来ないわけで、結局チェックイン時にパスポート確認をするため、それで良いのですが、なにか頼りないチケットです。紛失時、再発行が簡単に出来るというメリットがありますけれど。

ドーハのストップオーバーは、
蒸し暑い、物価が高い、見るところがないということで今回はパス。

4年前の一時帰国の時は、エミレーツの日本就航キャンペーンと、
エジプトの為替自由化{03年1月}のどさくさで、320ドルでエミレーツの日本行き片道航空券を買えましたし、
05年6月、カタール航空は日本における大激安キャンペーンで、
関空発エジプト往復航空券を29600円{各種税抜き}で販売していたこともありましたが、人間は生きる場所や向かう道を選ぶことが出来るけれども、
生きている時代を選ぶことが出来ないので、これは仕方がありません。


カイロ出発

購入したフライトのカイロ出発日は、07,5,27日曜日。
フライトスケジュールは、
QR
CAI 17:40→DOH 20:55
DOH 23:45→KIX 翌日の15:55到着。

トランジットタイムは約3時間。
あまり短すぎると、荷物の積み替えが危なくなりますので、丁度良い間です。
エジプトから日本に飛ぶ場合、時差のため、人生の時間を少し損します。

当日午後、白ガラベーヤ姿に、背中には土産品満載のバックパック、胸には貴重なデータ入りパソコンを入れたデイパック、脇には土産物のアラブ太鼓とシーシャセット。

配布用土産物は、「安い、軽い、珍しい」と三拍子そろったカルカデ茶のティーバッグの小箱{2,25LE}を40個以上、
日本ではかなり価値がはねあがるオリーブ石鹸{90PT}をこれまた40個、
男には全くその存在価値がわからねど女性には受ける香水瓶{2LE}20本など。
オリーブ石鹸といえば、本場はシリアのアレッポでありますが、
その辺は、一時帰国ということでご愛敬。

ダウンタウン地区から午後空港へ出発。
ラムセスstのバス停よりエアコンバス356番 2LE.
荷物代50PTも自主的にバス運転手に払うも、そっちのチケットはもらえず、
50PTはチップということに。正確には公金横領となるのでしょうか。

午後のためラムセスstは渋滞。一時間弱で空港敷地内。

カタール航空QRは CAI T2発着。
公道バスでは直接T2には行かないため、大駐車場{CAI T2カーパーク2}にて、
「T2シャトルバス」に乗り換えます。
シャトルバスは無料運行。その分空港使用料が上がっているのですけれど。

07年末完成予定と発表されていたT3はまだまだ工事中。
後、政府発表では
「カイロ空港第3ターミナルは、08年上半期には運営開始予定。」と修正されました。
やっぱりエジプトですね。

ただし、T3のシャトルバス道路は出来ており、シャトルバスはスイッチバックすることなく、工事中のT3前を通り抜けてループし、T2出発側から横付け停車。

下車し、セキュリティチェック。

ここで、シーシャセット内の、金属製炭つかみと、シーシャ煙草を、
預け荷物内に入れろとエジプト人警察官による指示が。
15cm程度の炭つかみが凶器になるとはとても思えませんが、素直に従います。

後、チェックイン後の免税品店にて、シーシャ煙草が売られていたのを発見。
免税品店で購入した物は、機内持ち込みせざるを得ないので、えらく矛盾する措置。

セキュリティを抜け、カウンターにてチェックイン。
2区間のボーディングチケットが渡されます。

チェックインカウンターの脇になにやら並んでいたので聞くと、そこが出国手続きでありました。

出国手続きは問題がなければ、スタンプポンなので、別にチェックインカウンター脇でなく、以前のゲート方式で構わないと思うのですが、どうなんでしょうか。

この後、ボーディングパスを渡したあと飛行機搭乗の寸前で、いちいちパスポートを開かせ出国スタンプが押されているかどうかの最終チェックがあり、そこで混雑がありました。

やはり、
この方式だと、出国手続きをしないままボーディングに向かってしまう客がいるのでしょう。

チェックイン後の場所にて両替所が3軒あり稼働チェック。
尋ねると、どこもドル、ユーロ、円といったハードカレンシーは在庫切れでありました。

為替自由化後しばらく過ぎて、レートが落ち着き、
LEからハードカレンシーへの両替は、市中のトーマスクックなどのフォレックスビューローで容易に出来るようになって闇両替も無くなり、
近年、成田空港の両替所ではLEも扱うようになった程ですが、
このカイロ空港出発イミグレ内両替所に外貨がないのは、単なるセクショナリズムから来る怠慢でありましょう。
なぜならば、到着の方の両替所には外貨がたまっており、為替レートもLE高気配なのですから。

私はLEを効率よく両替し、かつ、またエジプトに来る予定ですので、LE余りでは有りませんでしたが、エジプトにしばらく来る予定がなく、経由・到着空港でLEを扱っていない人は困ってしまうでありましょう。

{これまた、後チェックしたのですが、関空の両替ではLEを扱っておらず。}

成田、中部セントレア、千歳の各空港ではLEを扱いだしたとはいえ、レートが悪く、
やはり、かつてのようにエジプト出国の際は、LEをほぼ使い切っておくか、事前に市中で両替を済ませておいた方が賢明でありましょう。

CAI T2免税品店チェック。

クレオパトラのメンソールは、免税品店でも扱っていませんでした。
マルボロ1カートン14ドル。
ワイン オベリスク5ドル。
クリスタルのアスフールはいくつもの店で扱っており、最後の割れ物土産品調達は出来ます。

ちょっとお得情報

T2内フードコートのドリンクなどの価格設定は高め。
ミネラルウォーターのバラカ500ml{市販価格75PTから1LE}が7LEなどですが、
免税品店の冷蔵庫では、
ハイネケンビール330ml缶が1ドル{5,68LE}、
ステラ330ml缶が0,75ドル、
フェイルーズの330ml缶が2缶で1ドルと、
市販価格は一缶2,25LEが標準ですので、
空港イミグレ内としてはまずまず良心的なプライスで売られております。
フェイルーズはエジプトオリジナルの、コーラよりも高級な炭酸飲料ですので、エジプトを去る直前に飲まれてはいかがでしょうか。

カタール航空のカイロ発ドーハ行きは、機材の到着が遅れ、ボーディング手続き後、
結構待たされる。

客は、湾岸へ出稼ぎ目的のエジプト人と、中国向けに安くセールスしているのか、
中国人団体客が目立つ。

彼等は手荷物の量が多く、急いで場所を確保しようと焦り気味。

最後の待合室はガラス張りなのだが、清掃がなされておらず、視界は悪く、
エアコンの効きが悪いため暑い。

駐機していた機材は、エアバスA330の、昨年行われたドーハ アジア大会記念塗装。
旬を過ぎた塗装機に乗るのはちょっと興ざめ。

A330は、エジプト航空が日本線で使用している長距離向け4発エンジン機A340の、経済性を高めた双発エンジンの中長距離向けの新しい機材。

エコノミーの内部シート配列は、横2-4-2の構成。

機内のTVは液晶化されており、シートや内装からも新しい機材であることがわかります。

エコノミーでもパーソナルビデオ・ゲーム付き。
{ただし、ドーハまでの路線ではゲームが出来ず、ビデオの選択肢も少なかった。}

搭乗率はほぼ9割。
フライトが安定するとすぐにミールサービス。
ビールの他、
ワインも選べ、積んでいたのはチリ産ワイン。ミニボトルを一本渡される。
エジプト航空では政府公認で酒造メーカーがあるのに、宗教上の理由で酒がでないわけですが、
酒に対して市中レベルではエジプトより厳しい国である、
UAEやカタールの航空会社の方がサービスが良いのは、外国人非ムスリムとしては嬉しいところ。

煙草も吸えない、酒も提供されない、機内食もエジプト積み込みでは期待できない、パーソナルビデオもゲームもないでは哀しいですね。

ミールはチキンかラムを選択可能。

チキンを選んだのだが、エジプト積み込みだったこともあるのか、イマイチ。
カイロ市内の10LE位の定食屋のほうがよっぽど旨い。

パーソナルビデオは、近年のハードディスクの進化を反映してか、
まさに完全パーソナル。
選択した映画をはじめから見ることや、途中ストップ、早送り・巻き戻しも出来ます。

「硫黄島からの手紙」
を見ることが出来たので、観賞。
私の祖父は、再招集で硫黄島増援予定部隊にいて、硫黄島とは全く無関係ではなかったので、是非とも見たかった映画でありました。
しかし、38式歩兵銃のことを日本軍同士で「ライフル」などと呼んでいたことに興ざめ。
いくらアメリカ資本で脚本も日本人ではないとはいえ、あそこまで金をかけた映画で日本語で演技しているなら、誰か注意してやればいいのに。
本当の硫黄島の生き残りが、あの映画を見て「摺鉢山に緑があり、嘘だと思った。」という感想を抱いたそうですが、私には渡辺謙以下の日本人俳優がチャチに見えてしまいました。

そうこうしているうちに飛行機は遅れてドーハ到着。エジプトとの時差なし。


●ドーハ空港 駐機場

ドーハ空港は全置きスポットの様子。

タラップを降りると9時過ぎにもかかわらず湾岸らしい蒸した熱気が。
この時期のストップオーバーを選ばなくて正解だった模様。

バスにて空港ターミナルビルをぐるりと回り、セキュリティチェックの後、
トランジットエリアへ。
空港職員は、中国人とインド人が多い。


●ドーハ空港免税店

免税品売り場は流石にカイロ空港とは段違いで、デパートの1フロアのような感じで、メインホールは吹き抜けになっており、2階部分がトランジットルーム、フードコーナーに。

自動車が2台置かれ、くじ引きの景品とのこと。

ただし、一通りの免税品はあるも、ブランド品のバッグなどは弱く、
ショッピングが好きなヨーロッパ方面からの女性客にはちょっと物足らないかも知れません。

レートをチェックしようとすると、ATMはあるが、トランジットエリアに両替所はないとのこと。

価格の表記はカタールリアルが基本で、電化製品などの免税品はドル表示。

フードコートでは、完全にカタールリアル表示で、
ハードカレンシーでの支払いもできるが、コイン使用不可。
その場合のレートは、1ドル=3,6リアル。お釣りはカタールリヤルになるとのこと。

喫煙所はいくつかあるも、喫煙者数に比べて狭く、毒ガス室と化しています。

リクライニングチェアのある「クワイエットルーム」もあるのですが、満席。

全体的にドーハ空港は、新しく綺麗ではありますが、ちょっとソフト面が弱い感。

ただ、現カイロ空港に比べれば雲泥の差ですし、2,3時間のトランジットタイムでしたのでそれ程苦痛ではありませんでした。

ドーハ発関空行きの機材もA330。搭乗率約2割とガラガラ。
フライト後、席を移動して4席分を一人で使用。ファーストクラス並みの居住空間。
私が閑散期を狙ったということもありますが、ヨーロッパ線もありながらこの搭乗率では、
カタール航空は日本でまたそのうちに、大きなキャンペーンをしそうです。

日本線ということで、私のブロックには2名の日本人女性客質乗務員がつきました。
別に特別サービスがあるというわけではありませんが、なんとなく嬉しい感じ。
客が少ないので、お姉さん達もゆったりしています。

配られたカタールのアメニティグッズには、定番の歯ブラシ、目隠しのほかに靴下が入っていたのがユニークなところ。

日本の新聞、雑誌は深夜発の復路のためか、その存在に関してアナウンスはされず。
23:45発のフライト後すぐに食事サービス。
こちらもチリワインを積んでいました。
キリンビールの一番絞りがあったので、感激し久々に日本製ビールを痛飲。
日本酒は積んでいませんでした。エミレーツは積んでいますけれど。

あと、カタール航空はカップ麺も積んでいないそうです。

ミールは日本食かチキンを選択できました、

日本食のメインは牛丼、サイドにそばということで、日本入国後、すぐに吉野家に行こうと計画していましたが、フライングして日本食をチョイス。
が、「牛丼」と称している物は「テリヤキビーフかけご飯」といったシロモノで、
そばも風味やコシが全くないものでした。
教訓。ドーハ積み込みのミールで、日本食は選択しない方がベター。

食事後機内は消灯。

パーソナルビデオは当然自由使用。
搭載しているゲームは日本人向きでないものが多く、イマイチ。

日本映画は、先の「硫黄島からの手紙」以外では2本。
真っ先に観賞。
:フラガール
蒼井優は、05年のドラマ「タイガー&ドラゴン」では洋服店の店員でしたが、出世したようですね。

:1リットルの涙
脚本的見地からすれば、この手のお涙頂戴物は、禁じ手のような感があるのですが、
難病に冒された少女の演技は評価に値する物があり、なかなか見応えがありました。

さらにアラブ人向けコンテンツにナンシー・アグラムのアメリカ公演の模様とインタビューといった渋いものを発見。

中国から韓国上空あたりで朝食。{日本時間ではすでに昼過ぎ}

日本時間15:46、無事、関空に着陸。

空港内電車に乗り移動後、
イミグレ前の貼り紙では、鳥インフルエンザ流行国からの方は指で行う血流検査を、
とあるも、検査はなし。
ターンテーブルにて荷物をピックアップし、税関もすんなり通過。
前回の一時帰国から4年間エジプトにいて、かつガラベーヤ姿であったので、
テロリストなどと勘違いされ、別室行きの可能性も危惧されたのですが、逆にいかにもな姿で目立ちすぎるので、怪しまれなかったのでありましょう。

が、
イミグレ外の日本の地である、空港内の両替事情や交通案内などや、
スポーツ新聞の「日本ダービー ウォッカ 64年ぶりに牝馬が優勝」などあれこれチェックしていると、ウッチャンナンチャンのウッチャン風のスーツ姿の男が、私に接近し、
ガラベーヤに関心がある事を装い、私にどこの国で買ったのかなどと質問をしてきました。
胸元にIDカードを吊しているのがちらりと見えたのと、そもそも堅気のスーツ姿の男が、
いくら姿が珍しいからといって見知らぬ男に気軽に声をかけるはずが無いので、すぐに私服警官の職務質問とわかりまして、こちらも気が付かないそぶりで
エジプトで買ったんですよ、などと受け答えをしていると、
案の定IDを胸元から取り出し、
「いやあ、すみませんねえ、仕事なもんで。」
と慇懃な態度で正体を明かし、職務質問を私にしてきました。

私は過去警備会社に勤務していたことがあり、柔道をやっていたときの仲間などが多数警察入りしている警察のシンパなので、苦笑いしながら素直にパスポートを見せ警戒活動に協力。
本当のテロリストやスパイなのでしたら、目立たないことが第一条件でありましょうが、
まず目立つ怪しいところからチェックするのが警察の仕事ですから、仕方のないことでありましょう。

ガラベーヤ姿って、中東を知らない多くの日本人には、オウムとかの新興宗教の人間に映るようです。蒸れずに楽なのですけど。

関空の駅からJRの切符を買おうとして、手持ちの夏目漱石の千円札を自動券売機に入れようとすると、機械から拒否されてしまいました。
今は野口英世なのです。
さっそく浦島太郎的な洗礼を受けた気分になりました。

関空発 天王寺行き JR1030円

天王寺駅前に吉野家があるという情報を事前に掴んでおり、
すぐさま探し当て、入店。

牛丼 並380円、味噌汁50円、卵50円、おしんこ90円を注文。

私は生卵を鳥インフルエンザの心配なく、たっぷりの醤油と溶いて牛丼にかけ、
紅ショウガをこんもりと盛り、
映画「幸せの黄色いハンカチ」で高倉健が刑務所から出所して、安食堂にて久々のビールを味わうシーンの如く、吉野家の牛丼を堪能し、今回も無事に生きて祖国日本の地を踏めたことを味わったのでありました。{了}


久々に吉野家の牛丼を食べて喜ぶ筆者。シャッター押しはアルバイトの女の子に依頼。
寝起きのため頭髪は乱れている。腹部のふくらみはパスポート入れ。