嗅覚を失ったバーテンダー

嗅覚を失ったバーテンダー

短編小説風に、書き留めていたことを整理し、まとめていきたいと思います。

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術後、約2ヶ月が過ぎ、最後の検診へ向かった。

また、いつ嗅覚を失うか不安な気持ちは常にある。

最初に行った診療所で、なんでもっと早く診察に来なかったのか叱られたことを思い出す。

今から思えば、最初から手術を勧めてくれれば、そんなに悩むことはなかったはずなのに...

そこでは、もう手遅れ的なことも言われた。

早く診断すれば治っていたかも知れないとも言われた。

ずっと、手遅れだと思い悩んだ日々もあった。

ろくに診断もしない三流の医師は山ほどいる。

だが、患者は素人だから医師の言うとおりにする。

そうしていくうちに、本当に手遅れとなっていく。

臭いのしない日が続くと、いずれ脳が認識してくれなくなる。

暇さえあれば、嗅覚障害の情報をネットで調べまくった。

どれひとつとっても完治したとは書いてはなかった。

だから、完治したら、同じ悩みを抱えている人のためにもブログを書こうと思った。

大学病院では、手術しても治るかどうかわからないと言われた。

だが、手術をした病院の先生は、たまに少しでも、臭いするのであれば、

脳への伝達はできているので治る可能性はあると言ってくれた。

言い方の違いだが、こちらの受け取り方はぜんぜん違う。

諦めなければきっと、いい病院、いい先生に出会える。

だから、、可能性は常に信じたい。

最初からダメとか無理とか言うと、そういう考え方になってしまう。

この病気になってから、治ったら何をするかばかり考えていた。

失ってからでないと、気づかないこともたくさんある。

随分、完治するまで遠回りしてきたけど、今となってはいい経験をしたと思うようにしている。

多分、嗅覚に限らず、何でもそう。

だから、これからの人生は、当たり前に出来ていることが、

できない人もいるということを考え、できる以上は、精一杯生きていこうと思った。

あと、治ったから言えることだが、

諦めないで、前向きに生きていれば、きっといいことがある。

常日頃から、五体満足、健康で生きていられることに感謝したい。

その道のプロフェッショナル(一流の医師)と出会うことによって、

自分もバーテンダーとして一流のプロフェッショナルを目指そうと思う。

一流のバーテンダーを目指して、この生き返った嗅覚を研ぎ澄まし、精進していきたい。

同じ悩みを抱えて生きている人達へ、少しでも参考になればと思い、

三年半という闘病生活での経験を書き綴ってみました(完)