気持ちの本
4歳の息子には、まだちょっと早いかな~と思いますが、とても良い本だと思います。ひとりで読むのなら、小学生くらいを対象にしているのかなぁ~?
人って、成長につれて、善いことと悪いことの区別と判断ができるようになっていきますね。してはいけないことをすれば、当然叱られるし、絶対にやってはいけないということがあります。と同時に、経験を通して「こんなことをしたらほめられる」など、善いこと、悪いことの区別を身につけていくのです。
と同時に、これはあくまで「私の場合」ですが、いつの間にか、行動以外のこと。たとえば、自分自身の気持ちに対しても、自分で善悪の区別をつけるようになっていました。
「こんなふうに思うのはいけない」
「こんなふうに考えたら、周囲にも認められる(はず)」
というように…
世間一般的には、前向き=ポジティブ=いいこと♪
後ろ向き=ネガティブ=悪いこと♪
というような見方をする人も多いですね。
前向きな発想と、ポジティブな言葉を発する人、
周りに感謝する気持ちを持っている人、
そういう明るい人が人をひきつけ、
いかにも「人格者」のようにたたえられたり、
(もちろん、それはそれで素敵だと思います)
とにかく、ポジティブ絶対!というような風潮が強いと感じるのですが、
どうでしょうか?
だけどその一方で、
後ろ向きな気持ち、ネガティブな気持ち、モヤモヤ、黒いどろどろ…
そういうものは、なるべく排除しよう。
見ても見ぬふりしよう。
きれいなもの、気持ちのいいものだけを持って、生きていこう。
そんな一面もありませんかね?
もちろん、ポジティブなものだけを身に備えて生きていけたら、それはそれで幸せなのかもしれません。
でもなんだかそんなのって、とても表面的で薄っぺらく思えてしまうのは…私だけ?
ポジティブもネガティブも、いろいろな気持ちを大切にして生きるほうが、人間らしくていいなと思ってしまうのです。それは自分自身に対してもね♪
それでも…それでも…ネガティブなものに取り囲まれると、
「こんなことを思う私って、へんなのかな」
「こんなことを考える自分なんて・・・(自己嫌悪)」
そう思ってしまうことが時々あります。
そういう時に、この本を開きます。
本は、子どもたちに、こう語りかけます。
「心のなかは、目で見えない。
でも、心のなかでおきていることを、気持ちが知らせてくれる。
しあわせな気持ちは、心のなかが、安心していることを知らせてくれる。
いかりの気持ちは、心のなかが、傷ついていることを知らせてくれる。
こう感じると悪い子だとか、こう感じてはいけない、などということはない。」
「いろんな気持ちがある あなた。
そのままのあなたで いいんだよ。
いろんな気持ちを大切にして
ぐんぐん大きく しあわせになる。」
「 いちばん悲しいときは
気持ちが分かってもらえないとき
*
いちばんうれしいときは
気持ちが通じあえたとき 」
巻末「おとなのあなたへ」というページには、大人向けにこう書いてあります。
「感情に、快、不快はあっても、良い、悪いはありません。どんな感情を抱いてもいいのです。大切なことは、自分の心に渦巻くこれらの気持ちを正直に受けとめて、その気持ちをどのように人に表現するかです。」
「怒りや悔しさや悲しさの感情を、言葉にして相手に伝えるのは、相手を傷つけたいからではなく、相手に自分の気持ちを理解してほしいからです。わたしたち人間は、子どもであれ、おとなであれ、相手に自分の気持ちをわかってほしいという、たいへんに強い欲求をもっています。」
「この本は、自分のどのような感情も否認しないで、まずは受け入れること、感情を人に率直に表現することの大切さ、怒りや悔しさなどの感情はどのように人に語ることができるのか、そして、よい聴き手になるためには何ができるかを、子どもたちに伝えるために書きました。同時に、同じことを、子どもたちのまわりにいる、おとなのあなたにも伝えたくて書きました」
語彙が増え、「ママ~」「ママ~」と私を呼んだあとに繰り出される、我が子のおしゃべり。時には「あれが嫌なの」「これが嫌なの」と、泣きながら訴えてくることもあります。
そういう時、私、息子にこんな台詞を投げつけたこと、あったかもしれない。
「そんなこと言わないの!」
「そんなふうに思ったらいけないのよ!」
私自身の体験をひとつ。
ある人から、
こんなこと言われたら嫌だなぁ。
こんなふうにされたら嫌だなぁ。
そう思いつつ、でも、そんなふうに思う私って、おかしいのかな?と思ったことがありました。
自分のそういうネガティブな気持ちを相手に伝えるのは、すごく勇気がいること。
でも勇気を出して、「その人」に、自分の気持ちを正直に話してみました。
まぁ、こういう局面は、何度もあったのですが・・・
ある人からは、こう言われました。
「自分はそんなこと、一度も考えたこともない」
「自分だったら、同じことを言われても、ありがたいと思うけど?」
「そんなことを考えて悩むなんて、自分が損するだけ」
「悩んでいるだけ、時間がもったいない」
「もっと前向きにね!」
心を開いて相手のふところに飛び込んでみたけれど、結局、ショック倍増で引き返してきたような、後味の悪さばかりが残ったのです。それにも関わらず、その相手からは、「心を開いてくれてありがとう!嬉しかった♪」と。
私の気持ちについてのみ言えば、とても、その人に心を開いて話したことが「嬉しい」とは思えなかったので、複雑でした。実際、何度か自分の気持ちを訴えても、同じことの繰り返し。ポジティブなその人は、こんな私にも、「ありがとう」と言ってくれるけど、あぁそうか、私は「その人」に、私の気持ちを分かってもらいたいんだなぁ…でも分かってもらえないから、さみしいんだなぁ・・・。そう思いました。
でもある人からは、こう言われました。
「そっか~、そんな受け取り方もあるよね。はじめて気づいたよ~」
「そんなふうに感じていたんだぁ。私は、こんなつもりだったの~」
後者は、たとえ自分とは発想も受け取り方も違っても、誤解がとけたり、「そうか、この人はこんな視点があるんだ!」と気づいたり、話してよかった♪と思えたし、それ以降も、より一層仲良くなりました(*^-^*)
子どもたちの心の声に耳を傾けられるようになるためには、何よりもまず、親である私自身が、私の気持ちを大切にする必要がありますね。
自分自身のどんな感情にも、決して「善悪」をつけない。
そうかぁ、今わたしは、こんな気持ちをもってるんだぁ。
そういう気持ちでいる自分を認め、
気持ちを聞いてくれそうな相手に、自分の気持ちを聞いてもらう。
気持ちを話して余計に傷つくような人には、うかつに話さない。(これ大事)
我が家の二人の子どもたちにとって、ママである私が、「気持ちを話して余計に傷つくような人」には、なりたくないなと思うんです。
それは、
自分をことを分かってほしい。自分の気持ちを分かってほしい。そういう人が、近くにいてほしい。
私自身が、なによりもそう思うからです。
そして、そういう人が1人でもいてくれたら・・・本当に幸せなことだから。
できるだけ、子どもたちの気持ちに寄り添い、そっと見守っていきたい。
そのために、時々この本を読みながら、
私自身も、自分の気持ちを大切に、歩いていこうと思います(^-^)