淫らな夢に打ち沈み、肉欲、貪り、純情を傷つけた果てに、共々に、官能の極みに達せども、和也にとりてそれは、深く睦み合えど、地獄で極楽を観るが如くに、やるせないひとときにございました。






乱れた褥に、雅紀の安らかな寝顔が、幸せそうに輝いております。その隣で、和也は眠れずにおりました。



瑠璃色の空に月は霞み、もう、そこまで夜明けが参っておりまする。


和也と雅紀の別れは、今はまだ眠りの内に。
されどその足音は、和也が耳には、はっきりと届いておったのでございます。