※ドクター──相葉雅紀


「いやぁ…隕石がぶつかったって聞いた時はびっくりしたけど、リーダー、なんともなくて良かった」
  俺はリーダーのカルテを保存して立ち上がった。

  医務室の奥のエリアに入る。
  この辺りは常に重力がある。どうしてかって言うと、野菜を育ててるから。植物の成長に欠かせない要素の1つ。
  太陽代わりのライト。重力。二酸化炭素と水分。
  しっかり育てて、毎日の献立に役立てる。

  こうゆう閉鎖された空間じゃ、病気は大敵だからね。みんなの健康管理は、ドクターである俺の仕事。



  フレッシュ野菜を手に医務室に戻ると、リーダーがベッドに座ってた。

「あれ?リーダー部屋戻ったんじゃなかったっけ?」
「うん…」
  リーダーは、みぞおちの所を摩りながら俺を降り仰いだ。

「どうかした?」

  俺は、机に野菜を置くと、椅子を引き寄せて、リーダーの正面に座った。

  リーダーはいっつも眠そうだけど、今日はいつもとは別な感じにトロンとして、熱でもあるみたいな目付き。

  俺は、リーダーの手を取って脈を診た。

「少し早いね」
「うん」
「熱、計る?」

  立ち上がりかけた俺の手を、リーダーが引いた。

「病気じゃない」
「本当に?……じゃ、どうしたの?」

  俺は、も一度リーダーの前に座り直した。リーダーが潤んだ目でじっと俺を見てる。

  熱、ないのかなぁ?こんなに瞳潤ませちゃって…。ぜってーありそうなんだけど。

  無意識の内に段々と2人の距離が近くなってて…。
  いつの間にか、目の前がリーダーの瞳で一杯になってた。その近さで言われた衝撃の一言。

「相葉チャン…好きだ。俺の子ども産んでくれ」