こちらも、以前、小説サイトに載せたものの再掲です。あの方達と同じ名前の5人が宇宙を旅してるお話です。
  "腐"要素がほんの少し滲み出てます。ご注意を…。










「ねぇ、今、誰がババ持ってんの?」
「え~、ねぇ、ちょっと、そうゆうのやめようよ」
「私は持ってませんよ」
「俺もぉ」
「…」

  ここは、宇宙船J-Storm号船内遊戯室。クルー達はカードゲームを楽しんでいた。

  宇宙船の航行は殆どコンピューターで行われる。クルーのする事といえば、定時点検とトラブルへの対応のみ。なので、他の時間は基本自由だ。

「さぁ、俺あと1枚!」
  目元の濃い、エンジニア助手の青年が言う。
「ええ…?!マジか…」
  色黒で細身のエンジニアの青年は驚いた。
「リーダー、鼻」
  青年ドクターが、にこやかに囁いた。
  その様子を、オペレーターの色白の青年は、上目遣いでニヤニヤと見つめた。
「と…その隙に、俺、上がり!」
「ええ~?!」
「うわっ、やられたっ」
「くそー」
  全員の注目を浴びたのは、撫で肩のバックショットもセクシーな、航海士の青年。

  これが、このJ-Storm号クルーの全員だ。

  船の外は漆黒の闇。母なる惑星(ほし)地球は遥か遠く、彼らは、この無限の広がりの中に、たった5人だった。