「いってらっしゃい!」
「…ん、いってきます」
「転けるんじゃないよ!」
「はぁーい」
ぱたん と扉を閉めて、目を擦りながら通学路を歩く。
待ち合わせ場所に着けば、そこには自転車にまたがった男の人。
私にはまだ、気付いてないみたい。
小走りして後ろにつくと、ガバッと抱きついた。
「ぅわっ!り…梨真」
「おはようございます」
「おはよ」
呆れ笑いしながら、私の頭をぽんぽんとする。
優しいとこが大好き。
私の自慢の彼氏だ。
「あ、龍先輩。」
「ん?」
「ここ、寝ぐせ」
サラサラな茶色掛 かった髪の一束が、ぴょこんと跳ねている。
「え。うわ恥ずいな」
「ふふ。かわい」
「はやく乗れ」
顔をしかめてるけど、耳は真っ赤。照れてるなんてわかりやすいのに。
「はぁーい」
大人しく自転車の後ろに乗ると、龍先輩の脇腹に抱き付いた。
龍先輩は一瞬びくっとして、私がしっかりくっついたのを確認してから漕ぎ出した。
これが私たちの、朝。