二人の記念日。







「小春~!久しぶり!!」



え?小春?

隣の部屋から聞こえてきた名前に、俺はドキッとした。




同じ名前に反応しちゃうなんて、かなりの重症かも…。




『久しぶり~!』








でも、聞こえてきたその声はいつも隣りにいるあの声。


小春だった。





メンバーも気付いたらしく…
なんとなく俺らは静かになった。





「小春がくるなんて久しぶりだよね?いっつも断るんだもん。」

『そうかな? 』

「たまにはみんなで集まる時くらいきてよね!」

『うん、そうだね。』



「………ねぇ、小春彼氏できた?」


『えっ!?なんで?』


「なんかキレイになったし……
前に会った時より、明るくなったなぁって。」


『…彼氏なんていないよ~。』


「うそ?絶対いると思ったのに。ってか小春もてるのに~。昔から人気あったもんね♪」


『そんなことないって///』











彼氏がいないって言ったこと、昔話のこと…

今の俺にはどうしようもできないし、仕方のないこと。


だけど、物凄くイライラした。



「ニノ……」



心配してくれるメンバーの声も耳に届かなかった。





「小春っ?なんか元気ない?」


『…え?ううん。大丈夫。』


「じゃ~小春も合流したし乾杯しますか。小春お願い♪♪」



『えっ?私?う~んと…
じゃあ、久しぶりの再会を祝して。



あと…………









お誕生日おめでとう!!』





―へ?





「おめでと~!って、え?誰か誕生日だっけ?」

「さぁ……」


「ちょっと小春!誰の誕生日?」





『誰って…………私の大切な人の誕生日…』



「大切な人って……小春彼氏いないんじゃないの?ってか、そんな日にここに来てよかったの?」





『大切な人だけど………

今日はどんなに会いたくても会えない日だから……』





「どういうこと?」








俺は………

バカだ。



自分の気持ちだけで突っ走って、逃げて…



あの頃となんにも変わってないな。